獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
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ISSN-L : 0916-5908
37 巻, 2 号
April
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総説
短報
  • 柑本 敦子, 内藤 晴道, 尾崎 佐記, 鈴木 慎一, 村越 奈穂子, 横田 和也, 内田 和幸
    2006 年 37 巻 2 号 p. 39-42
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/30
    ジャーナル フリー
    6歳のオスのウサギに、一部で結節形成を伴う彌漫性の皮膚の肥厚病変が体幹腰背部に認められた。結節病変の皮膚生検では、表皮の菲薄化及び皮膚付属器の萎縮を伴う真皮から皮下織のコラーゲン線維の著明な増生がみられた。これらの所見はヒトの強皮症に類似していた。その3ヵ月後、左精巣の腫大が認められ、去勢手術を行った。病理組織検査で両精巣はライディッヒ細胞腫と診断された。去勢前に高値を示していた血清テストステロン値は正常範囲まで減少し、それに伴い皮膚病変の部分的改善がみられた。これらの所見より、本症例ではライディッヒ細胞腫よりテストステロンが過剰に分泌されており、それが強皮症様皮膚病変の形成に寄与していた可能性が示唆された。
  • 松村 雅子, 坂井田 誠, 山田 雅人, 秋山 博史, 酒井 洋樹, 渡邊 一弘, 森   崇, 丸尾 幸嗣
    2006 年 37 巻 2 号 p. 43-47
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/30
    ジャーナル フリー
    メス、8歳のラブラドール・レトリバーが右後肢の挙上のために来院した。身体検査により、右後肢膝窩部に腫瘤を認めた。Tru-cutコア生検により、骨肉腫と診断されたが、X線およびCT検査により、骨格骨肉腫において一般的に認められる骨および骨膜の異常を認めなかった。右股関節よりの断脚術を行ったが、術後141日目に身体検査およびX線検査により肺および腹腔内への転移と思われる所見を得た。そして、術後147日目に死亡した。症例の術後経過、腫瘍の生物学的挙動、右後肢膝窩部腫瘤の肉眼所見、X線およびCT画像所見、病理組織学的検査から、軟部組織由来の骨外性骨肉腫と診断した。
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