1) 4例の犬のPSSに対し, ameroid constrictorを応用し, その術後経過を観察した。
その結果, ACの装着により術後3日以内に急速な短絡血流量の低下する可能性があると考えられた。また, 1例では門脈血流量の増加に伴って多発性シャントの形成が認められた。
2) 短絡血管仮閉鎖で重度の門脈高血圧症を呈する症例にACを適応する場合, 術後の多発性シャント形成や門脈高血圧症により死亡に至る可能性があると考えられた。
3) これらの結果から, ACを安全に適応できる症例の選別法はまだ十分確立されてはおらず, 今後さらに詳細な研究が必要と考えられた。
抄録全体を表示