メデトミジンの馬における鎮静効果をキシラジンと比較した。臨床上健康なサラブレッド種成馬5頭を繰り返し用い, 3種類のメデトミジン投与量 (1, 5, および10μg/kg) , キシラジン1mg/kg, および生理食塩水5mlを静脈内投与した。メデトミジン10μg/kgではキシラジン1mg/kgより強い鎮静効果および運動失調を認め, 作用時間も延長した。メデトミジン5μg/kgではキシラジン1mg/kgと同様の作用時間であったが, 鎮静効果および運動失調の程度はやや少なかった。メデトミジン1μg, /kgでは鎮静効果および運動失調を認めなかった。以上の結果から, サラブレッド種において, 起立性で良好な鎮静状態を得られるメデトミジン至適投与量は5から10μg, /kgの間であると考えられた。また, 至適投与量におけるメデトミジン経済性はキシラジンより高かった。
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