外科的侵襲に対する犬の細胞性免疫機能を評価するために実験的に麻酔や手術負荷を加えた後にルミノール依存性化学発光 (CL: chemilumines cence) 測定法により免疫担当細胞である好中球, マクロファージ, 末梢血リンパ球 (PBL) の動態について検討した。
その結果は麻酔群ではCL活性の変動はほとんど見られなかった。手術群では, 術後1日目から全血 (好中球) および一細胞当たりの活性増強と好中球の増多が観察された。その後3日目にかけて全血 (好中球) 活性が低下すると同時に, マクロファージ, PBLの活性増強が認められた。
以上のことから本実験で用いたCL測定法は術前術後の免疫機能診断法の一つとして有用性が高いものと思われる。
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