獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
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34 巻, 2 号
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  • 杉山 優子, 田中 宏, 北村 雅彦, 小坂 智美, 本田 陽子, 酒井 洋一, 長崎 英里奈, 中山 正成
    2003 年 34 巻 2 号 p. 21-28
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    下部尿路疾患を繰り返した結果, 膀胱および尿道壊死を起こした猫に対し, 膀胱三角―結腸吻合術と, 膀胱および前立腺尿道に発生した移行上皮癌によって部分的尿路閉塞を起こした犬に対し, 尿管―結腸吻合術を行った。両症例とも, 術後の尿漏れはなく, 肛門からの排泄が可能となった。これらの術式は膀胱再建が不可能で永久的な尿の迂回経路設置が必要な症例において有用であると思われた。
  • 原 康, 小笠原 聖悟, 左向 敏紀, 小山 秀一, 高橋 公正, 織間 博光, 増田 弘行, 多川 政弘, 寺本 明
    2003 年 34 巻 2 号 p. 29-36
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Cushing症候群を呈した11歳, 雌, 体重8.3kgのウェストハイランドホワイトテリアが頭部MRI検査により下垂体巨大腺腫と診断された。本症例に対して下垂体切除術とホルモン補充療法による治療を試みた。手術中に摘出した組織は病理学的にACTH産生性前葉腺腫と診断された。手術前に認められたALP, Tcho値の上昇は術後に正常値範囲内に回復し, またACTH刺激試験の成績もまた顕著に改善した。さらに全身性の皮膚病変 (脱毛、皮膚結石症) は術後3ヵ月の時点ではほぼ消退した。本症例の一連の臨床経過は, 巨大腺腫と早期診断された下垂体性副腎皮質機能充進症において, 下垂体切除術は有用な治療法となることを強く示唆するものと考えられた。
  • 上島 昌子, 上島 信之
    2003 年 34 巻 2 号 p. 37-41
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    食欲不振を主訴として来院した16ヶ月齢のメス兎に右側腎腫瘍が認められ, 摘出術が実施された。術前の血液検査ではPCV, クレアチニンの上昇と, TP, アルブミンの軽度上昇がみられ, 多血症と軽度の脱水が示唆されたもののBUNの上昇は伴っていなかった。摘出腎は水腎症を伴う腎芽腫と診断された。腫瘍塊には出血と壊死が広範囲に見られ, 術後4日目に死亡した。
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