犬の麻酔および手術侵襲によるリンパ球幼若化反応低下に対するアクトミン
®の効果について検討した。
In vitroにおける添加試験において, アクトミン添加群のリンパ球幼若化反応の刺激程度は, 3日間培養, 7日間培養ともにIL-2添加群, Con-canavalin A (Con A) 添加群より大きく, また, アクトミン添加群では, 3日間培養より, 7日間培養の方がリンパ球幼若化反応の刺激の程度が上昇したのに対し, インターロイキン-2 (IL-2) 添加群, ConA添加群では大きな変化は見られなかった。さらに, アクトミン添加群の3日間培養について, ハロタン暴露群はハタロン非暴露群よりリンパ球幼若化反応が有意に低かった。
In vivoにおける投与試験では, アクトミン非投与群で術後7~10日にリンパ球幼若化反応の有意な低下が見られたのに対し, アクトミン投与群ではこの期間のリンパ球幼若化反応は低下しなかった。
以上の結果より, アクトミンはIL-2, Con Aよりもリンパ球幼若化反応を強く刺激し, その作用も長く持続し, また, ハロタンによるリンパ球幼若化反応低下作用に対して防止効果のあることが推測された。さらに, 術後7日以内におけるリンパ球幼若化反応に対しても効果のあることが示唆された。
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