獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
Print ISSN : 0916-5908
ISSN-L : 0916-5908
23 巻, 2-3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 田浦 保穂, 永松 純一, 中間 實徳, 田原 秀樹
    1992 年 23 巻 2-3 号 p. 57-64
    発行日: 1992/07/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    犬の麻酔および手術侵襲によるリンパ球幼若化反応低下に対するアクトミン®の効果について検討した。In vitroにおける添加試験において, アクトミン添加群のリンパ球幼若化反応の刺激程度は, 3日間培養, 7日間培養ともにIL-2添加群, Con-canavalin A (Con A) 添加群より大きく, また, アクトミン添加群では, 3日間培養より, 7日間培養の方がリンパ球幼若化反応の刺激の程度が上昇したのに対し, インターロイキン-2 (IL-2) 添加群, ConA添加群では大きな変化は見られなかった。さらに, アクトミン添加群の3日間培養について, ハロタン暴露群はハタロン非暴露群よりリンパ球幼若化反応が有意に低かった。In vivoにおける投与試験では, アクトミン非投与群で術後7~10日にリンパ球幼若化反応の有意な低下が見られたのに対し, アクトミン投与群ではこの期間のリンパ球幼若化反応は低下しなかった。
    以上の結果より, アクトミンはIL-2, Con Aよりもリンパ球幼若化反応を強く刺激し, その作用も長く持続し, また, ハロタンによるリンパ球幼若化反応低下作用に対して防止効果のあることが推測された。さらに, 術後7日以内におけるリンパ球幼若化反応に対しても効果のあることが示唆された。
  • 坂本 浩治, 水野 豊香, 荒谷 真一, 杉本 修
    1992 年 23 巻 2-3 号 p. 65-70
    発行日: 1992/07/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    This report describes a case of cystic calculosis in a two-year-old male thoroughbred horse presented to the Hidaka Yearling Training Farm. The patient had a history of pollakiuria and slight hematuria following exercise. However, a rectal examination of the bladder revealed no apparent abnormalities. Three months later, a cystic calculus with the approximate size of a ping-pong ball was easily palpated in the bladder via rectal examination and subsequently confirmed by endoscopic examination. Laparocystotomy was then performed following inhalation anesthesia in dorsal recumbency. The skin was incised on the right paramedian side of the penis, and the bladder was isolated and elevated to the skin incision.
    The calculi were exfoliated by hand from the urinary mucosa and removed. Surgery was completed within 4 hours and the animal recovered uneventfully. However, 46 days following surgery, rectal palpation revealed calculus of approximately 15 mm in diameter. This was subsequently removed using urethral endoscopy with a basket type forceps.
    In retrospect, a muscle relaxant may be beneficial during laparocystotomy because the bladder was difficult to elevate, making it difficult to remove all small size calculi. Endoscopy with a basket type forceps was a safe, easy and effective method for removal of small diameter calculi from the bladder.
  • 奥村 敦, 二見 智恵子, 若尾 義人, 渡辺 俊文, 上地 正実, 中山 智宏, 高橋 貢
    1992 年 23 巻 2-3 号 p. 71-80
    発行日: 1992/07/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    超音波ドップラー血圧計による血流音のモニターの有用性を麻酔および手術下の犬を用いて検討した。この装置による非観血的血圧測定値は, 観血的測定値と良く相関した。血流音は平均血圧が約70mmHgになると聴取不可能となったが, この範囲内ではその強さと血圧の測定値と良く相関するように思われた。しかし, 麻酔覚醒期などの動物の不安定な状態下では, 必ずしも良好な相関関係は得られなかった。一方, 血流音のパターンと末梢循環についてみると, 平圧がほぼ一定している場合にも血流音パターンの変化が認められた。このことは血流音が末梢循環動態の変化をより良く反映する可能性を示唆するものであった。
  • 桑島 智, 西村 亮平, 金 輝律, 廉沢 剛, 佐々木 伸雄, 後藤 直彰, 竹内 啓
    1992 年 23 巻 2-3 号 p. 81-88
    発行日: 1992/07/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    咽喉頭部周囲に発生した悪性腫瘍により, 重篤な呼吸困難と嚥下困難を呈した雄の10歳齢の雑種犬に対し, 腫瘤摘出術とともに永久的気管開窓術と経皮的胃造瘻術による術後の呼吸・栄養管理を行った。その結果, 術後1週間は気管開口部からの分泌量が多く, 頻回の気管洗浄が必要であったが, その後分泌量は徐々に低下し, 飼主による在宅管理が可能となった。また口腔内腫瘍の再拡大時にも, 呼吸困難を伴うことなく安全にガンマ線照射が行えた。一方, 経口摂取量の減少に対しても, マレコットカテーテルによる栄養管理に著明な効果が認められた。
    患畜は肺転移により術後122日目に斃死したものの, 直前まで比較的良好な状態に保てたことから, クオリティーオブライフの向上を伴った延命あるいは治療効果の向上の点からも非常に有効な方法と考えられた。
  • 森島 隆司, 細田 延恵
    1992 年 23 巻 2-3 号 p. 89-96
    発行日: 1992/07/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    犬のレッグペルデス病13例についてX線学的な所見を中心に評価した。症例を跛行の出現からX線撮影時までの経過日数によって4群に分けた。第1群は15日以内, 第2群は16日以上50日以内, 第3群は51日以上6ヵ月未満, 第4群は6ヵ月以上経過しているものとし, 股関節腔, 大腿骨頭部, 骨頸部ならびに寛骨臼におけるX線学的な変化を中心に評価した。
    13例の臨床例では, 雄が雌より多く, 跛行の発現時期は, 全例ともに6~8ヵ月齢で, 成熟直前のものが多かった。飼主が認知する最初の異常所見は, 全例とも跛行で, 跛行出現後15日以内に上診されたものが多かった。股関節部におけるX線検査上での変化は, 跛行が発現する1~2ヵ月前においても, 関節腔の拡大や骨頭の変形が観察された例もみられた。跛行が発現して2ヵ月以上経過したものでは, 寛骨臼への影響がみられ, この時期がLCPDから二次性変形性関節症への移行する時期に相当した。また, X線検査所見上, LCPDでは跛行の発現初期における30日間で急速に病勢が進行し, その後の変化は比較的緩慢となる傾向にあった。
  • 1992 年 23 巻 2-3 号 p. 97-140
    発行日: 1992/07/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 23 巻 2-3 号 p. ii
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top