肺炎を併発した肺原発の高分化型気管支肺胞腺癌 (T2 Nx M0) の8歳のパグ, 雌, 9kgに対して副葉以外の右側肺葉切除を行い, さらに術後に低用量のカルボプラチン (120mg/m
2, iv, 3~4週ごと) を1年2ヵ月間投与し, 19ヵ月の生存期間を得た。犬の肺癌は予後不良な腫瘍の1つではあるが, 高分化型の肺癌の場合には積極的な外科療法によって長期生存できる場合があることが明らかとなった。また, その効果は明らかではないが, 低用量のカルボプラチン療法は副作用も少なく, 検討に値する治療法と考えられた。
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