犬において膵臓全摘出により実験的に糖尿病状態を作製し, 紫外線を直接照射した猫胎子膵の異種移植を行った。移植部位は大網内ポーチあるいは脾臓内質内に注入した。混合膵島細胞・リンパ球培養では, 紫外線照射によりその反応が73.4±8.8% (平均±標準誤差) に低下した。また, 膵臓全摘出からの生存日数は胎子膵移植により明かに延長した。しかし, 移植後の糖尿病状態は, 1日インスリン要求量, 尿糖には移植の効果が見られるものの, 血糖値, 血清中インスリン濃度および体重についてはほとんど変化が見られなかった。
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