獣医麻酔外科学雑誌
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31 巻, 3-4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 中市 統三, 田浦 保穂, 宇根 智, 松本 統任, 関口 雅光, 中間 實徳
    2000 年 31 巻 3-4 号 p. 43-48
    発行日: 2000/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    犬の膝関節に対する関節鏡検査の有用性を検討するために, 正常なビーグル犬と実験的に前十字靭帯を切断したビーグル犬の膝関節内を関節鏡で観察した。その結果, 正常犬では, 前および後十字靭帯, 内側半月, 大腿骨内側顆および外側顆, 滑膜などが観察可能であった。前十字靭帯切断1ヵ月後に実施した検査では, 靭帯の切断端が容易に観察され, また内側半月の遊離縁の不安定さが認められた。さらに2ヵ月目の検査では, その遊離縁に発生した亀裂が明瞭に観察された。以上の所見から, 関節鏡は犬の膝関節疾患に対して応用可能と考えられた。
  • 長谷川 貴史, 内田 和幸, 小川 博之, 藤田 健夫
    2000 年 31 巻 3-4 号 p. 49-55
    発行日: 2000/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    左後肢の跛行を示す10ヵ月齢, 雄のゴールデンレトリバーの大腿骨遠位に骨腫瘤がみられた。また, 大腿骨遠位端と脛骨近位部では骨の糜爛・融解と骨膜反応を認めた。断脚後の病理組織診断は, 異型性変化を伴わない高分化型細胞で構成された骨軟骨性外骨腫であった。そのため化学療法は実施しなかった。術後約140日目に体表腫瘤が体躯に確認され, 病理組織学的に骨外性骨肉腫と診断された。腫瘍の肺転移も認められた。症例は術後約160日目に死亡した。
  • 鈴木 一由, 味戸 忠春, 奥村 純子, 岩淵 成紘
    2000 年 31 巻 3-4 号 p. 57-61
    発行日: 2000/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    1週前より発咳を伴う呼吸器症状が観察された6週齢のホルスタイン種雄子牛2頭に対し, 動脈酸素分圧 (PaO2) を指標にガス交換能の改善を目的として7.2%高張食塩液 (HSS: 2, 400mOsmol/kg・H2O, 5ml/kg) を静脈内投与した。その結果, 循環血漿量指数 (rPV) は両症例牛ともにHSS投与後高値を維持した。心拍出量 (CO) はHSS投与直後に最高値 (141.2および127.1%) を示す増加が認められたが, t=60分目以降治療前値に復した。一方, 症例1および2の動脈酸素分圧 (PaO2) は治療前の83.2および74.8mmHgに対し, 投与60分目にはそれぞれ95.3および89.4mmHgの最高値を示す上昇が認められた。以上の結果から, HSSが呼吸器症状の改善に有用であることが示唆されたが, COが投与60分目以降治療前値に復したことから, HSSの循環器系への効果は投与開始後60分以内であると考えられた。
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