獣医麻酔外科学雑誌
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25 巻, 1 号
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  • 矢田 新平, 原 広幸, 北野 寿, 新井 諭
    1994 年 25 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    交通事故や外傷による骨盤骨折等に起因する重度の慢性便秘症を発現した猫6例に対し, 著者らが考案, 開発した骨盤腔拡張プレートを応用した。その結果, 骨盤腔を恥骨結合部で最大12~14mm拡張することができた。また症例はいずれも数日以内に自力排便が可能となり, またその後の排便機能はきわめて良好であったことから, この手術法は骨盤腔の狭窄によってひき起こされた排便障害を改善する良好な方法であると思われた。
  • 田浦 保穂, 野口 道修, 鈴木 敏之, 中間 實徳
    1994 年 25 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    健康犬を用い, 血液透析中および透析後のリンパ球を採取後, ナイロンウールカラム法により非付着性細胞を分離し, そのリンパ球幼若化能に及ぼす影響を経時的に観察した。実験群は, I群として全身麻酔下で血液透析を行ったもの, II群として全身麻酔下でダイアライザーを使用せず, 送血ラインのみの体外循環を行ったもの, III群として体外循環を行わず, 全身麻酔のみを行ったものの3群を設けた。白血球数は, I, II群ともに体外循環によって最初減少し, 60分後から回復する傾向を示した。一方, リンパ球数においてはI群のみに同様の傾向が観察された。また, 血液透析後のリンパ球数は経日的に抑制され, 長期継続する傾向にあった。体外循環実施中のリンパ球幼若化反応は, I群において, 開始後60分までは, 一時的な低下を示した。体外循環後のリンパ球幼若化反応の経日的変化は, 一時的な低下は見られたものの, 実験7日までにはI, II群間に有意差は認められず, 回復傾向を示した。
    以上の結果から, 血液透析を行った場合, リンパ球総数は減少し, リンパ球幼若化反応の抑制が見られたことから, 非特異的免疫応答能の抑制が生じる可能性が示唆された。
  • 内山 孝志, 水野 豊香, 田嶋 義男, 荒谷 真一
    1994 年 25 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    絞扼性小腸閉塞の馬に対し, ハロタン酸素吸入による全身麻酔下で開腹手術を実施した。術前に重篤な循環機能低下が疑われ, 麻酔開始時より低血圧が認められたため, ドパミンおよびドブタミソの等量 (1-3μg/kg/min) 混合液を投与した。しかし, 平均動脈圧の上昇は55-60mmHgと不充分で, 術後には筋障害も認められた。このことから, このような循環不全に陥っている症例に対し, これらの薬剤は血圧上昇効果を示すが, さらにより適切な循環管理法の検討が必要であると考えられた。
  • 鈴木 馨
    1994 年 25 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    挫創, 片側後肢硬直, 起立不能, 排泄障害が認められた猫を一般臨床診断, 神経学的検査およびX線検査等によって外傷に伴う後躯麻痺と診断し治療を行った。まず副腎皮質ホルモン剤およびビタミンB剤を中心とする薬物治療を行ったが改善はみられなかった。次に治癒機転の活性化を図るため低周波電気針療法と極超短波療法を適用したところ卓効があり, 片側後肢の硬直以外ほぼ完治した。運動の円滑化および創傷感染防止のためこの患肢は断脚したが, 伴侶動物としての生活機能の回復は良好であった。
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