獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
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ISSN-L : 0916-5908
43 巻, 3+4 号
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原著
  • TTAを実施した犬の前十字靭帯断裂276膝関節の検討
    野尻 紋美, 西戸 達郎, 堀中 修, 秋吉 秀保, 清水 純一郎, 大橋 文人, 山口 力
    2012 年 43 巻 3+4 号 p. 33-39
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    TTAを実施した276症例における、再度の外科的処置の必要性が生じた主要な合併症発生率は4.0%で、術後に続発した半月損傷が10例(3.6%)、脛骨骨幹部骨折が1例(0.4%)、の計11例であった。それら全ての症例で、再度の外科的処置後に跛行は消失し膝関節の良好な機能回復を認めた。周術期の半月損傷の確認と処置には、関節鏡が有効であった。TTAは安全な手術手技であり、基本に基づいた適切な計画と実施が重要である。
  • 柳瀬 沙和子, 森 崇, 星野 有希, 伊藤 祐典, 村上 麻美, 西谷 由莉, 野口 俊助, 酒井 洋樹, 柳井 徳磨, 丸尾 幸 ...
    2012 年 43 巻 3+4 号 p. 41-45
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    オルソボルテージ放射線およびドキソルビシンとカルボプラチンによる化学放射線療法を行った鼻腔内悪性腫瘍の犬11例について回顧的研究を実施した。オルソボルテージ放射線は1回6.3 Gy、週1回照射とした。照射回数中央値は6回(4~11回)、照射総線量中央値は37.8 Gy(25.2~69.3 Gy)であった。臨床症状改善は9例で得られた。治療前後に行ったCT撮影により、8例で腫瘍縮小が認められ、完全寛解2例、部分寛解6例であった。生存期間中央値は478日(99~969日)であった。放射線障害は7例で認められたが、多くは軽度であり、対症療法により改善した。以上より、犬の鼻腔内悪性腫瘍に対し、オルソボルテージ放射線を用いた化学放射線療法は、QOLを低下することなく治療効果及び延命効果が得られ、治療の選択肢のひとつとなることが期待できる。
  • 一戸 登夢, 神野 信夫, 越智 広樹, 藤田 幸弘, 原田 恭治, 根津 欣典, 余戸 拓也, 山口 伸也, 多川 政弘, 原 康
    2012 年 43 巻 3+4 号 p. 47-54
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)では、様々な種類のプレートが使用可能である。我々はSlocum Plate(SP)、Locking Compression TPLO Plate(LCP)、Dynamic Compression Plate(DCP)を用いてTPLOを実施した症例で、Tibial Plateau Angle(TPA)とmechanical Medial Proximal Tibial Angle(mMPTA)を計測した。異なるプレート間でのTPAとmMPTAを比較し、経時的な変化を観察した。LCP使用群ではその他の群に比較して、術後合併症の発生頻度が低い傾向を示した。SP使用群におけるTPAは術後1、2、3ヶ月目で術後直後と比較して有意に高値を示した。LCP使用群における観察期間中にTPAに有意な変化は認められなかった。DCP使用群におけるTPAは術後2、3ヶ月目で術後直後と比較して有意に高値を示した。mMPTAについては観察期間中すべての種類のプレートにおいて、有意な変化は認められなかった。各群における術後の垂直床反力(GFR)には差が認められなかった。以上のことからSPやDCP群で認められたTPAの変化は臨床上許容できる範囲内であるものの、LCPは他のプレートに比べて脛骨近位骨片のアラインメントの維持に有用であると考えられた。
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