脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)では、様々な種類のプレートが使用可能である。我々はSlocum Plate(SP)、Locking Compression TPLO Plate(LCP)、Dynamic Compression Plate(DCP)を用いてTPLOを実施した症例で、Tibial Plateau Angle(TPA)とmechanical Medial Proximal Tibial Angle(mMPTA)を計測した。異なるプレート間でのTPAとmMPTAを比較し、経時的な変化を観察した。LCP使用群ではその他の群に比較して、術後合併症の発生頻度が低い傾向を示した。SP使用群におけるTPAは術後1、2、3ヶ月目で術後直後と比較して有意に高値を示した。LCP使用群における観察期間中にTPAに有意な変化は認められなかった。DCP使用群におけるTPAは術後2、3ヶ月目で術後直後と比較して有意に高値を示した。mMPTAについては観察期間中すべての種類のプレートにおいて、有意な変化は認められなかった。各群における術後の垂直床反力(GFR)には差が認められなかった。以上のことからSPやDCP群で認められたTPAの変化は臨床上許容できる範囲内であるものの、LCPは他のプレートに比べて脛骨近位骨片のアラインメントの維持に有用であると考えられた。
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