犬におけるMe・Ke混合投与による麻酔効果および循環器・呼吸器系に及ぼす影響について検討した。Me40μg/kgと2種類の用量のKe (5, 10mg/kg) を混合投与し, Xy2mg/kgとKe10mg/kgの混合投与群と比較した。
その結果, Me40μg/kgをKe5mg/kgと混合投与した場合にはXy2mg/kg・Ke10mg/kgと同等以上の効果を示し, さらにKe10mg/kgと組み合わせた場合にはより強力な麻酔効果を示すことが認められた。いずれの群も薬剤投与後の心拍数, 呼吸数, 換気量の低下に伴い, PaO
2, SaO
2, pHa, [HCO
3-]
p, B.E.の減少とPaCO
2の増加が認められた。各群の3頭ずつに呼吸性の不整脈と, Xy・Ke群の1頭に一時的な第2度の房室ブロックが認められた。平均血圧はいずれの群も薬剤投与後一過性に上昇した後に低下した。Me・Ke投与群はXy・Ke投与群と比較して平均血圧の増加の程度が大きかった。Me・Ke投与群はXy・Ke投与群と比較して循環器・呼吸器系への抑制が若干延長した。
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