獣医麻酔外科学雑誌
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25 巻, 3 号
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  • 中田 陽子, 江崎 久子, 田中 茂男, 小坂 俊文, 桑原 正人, 小出 英興
    1994 年 25 巻 3 号 p. 57-66
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    麻酔や手術などの外科的侵襲により生体に一時的な細胞性免疫機能の低下が起こる。この免疫低下を予防する目的で犬に牛遺伝子組換え型IFN-αの術前投与を行い, ルミノール依存性化学発光測定法により免疫担当細胞である好中球, マクロファージ, 末梢リンパ球 (PBL) の動態について観察し, その効果について検討した。その結果, IFN-αの投与を行ったIFN群は手術群に比較し, 術後, 好中球の増数と免疫機能の増強が観察された。特に手術群で術後1~2日目に極度の活性低下を示したマクロファージおよびPBLについては術後1日目から著明な活性上昇を示した。以上のことからIFN-αの術前投与は術後早期の免疫機能の低下の予防に有効に作用することが示唆された。
  • 伊藤 直之
    1994 年 25 巻 3 号 p. 67-70
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ハロタン麻酔下の手衛侵襲が犬好中球の貪食作用に及ぼす影響について, 犬好中球のラテックス貪食率から検討した。臨床的に健康な雌犬12頭を用いてアトロピンの前処置後チオペンタールで麻酔を導入し, OF麻酔で20分間維持した後, 同麻酔下で卵巣子宮摘出術を実施した。犬好中球のラテックス貪食率はアトロピンやチオペンタールの投与によっては変化しなかったが, 20分間のOF麻酔および手術終了直後には手術前の51.0±8.5% (平均±S.D.) に比較してそれぞれ有意に減少して41.8±7.1% (p<0.Ol) および37.4±6.0 (p<0.001) となった。しかしながら, 20分間のFO麻酔後の値と手術終了直後の値との間には有意差は認められなかった。また, 減少した犬好中球の貪食率は手術後1日目には手術前の値に回復した。
    以上のことから, 犬好中球の貪食作用はハロタン麻酔で低下し, 手術侵襲による影響は少ないことが示唆された。
  • 山谷 吉樹, 中川 和泉, 杉山 智香, 田中 茂男, 佐藤 敬
    1994 年 25 巻 3 号 p. 71-76
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    犬6頭を用いてハロセン, イソフルラン吸入麻酔下における心拍変動を最大エントロピースペクトル分析をした結果, 低・高周波数帯 (0.02~0.09Hzと0.15Hz以上) のピークの周波数, 振幅値および面積値は, 麻酔濃度の上昇にともなって変化し, 変動様式ではイソフルランとハロセンの両者間に差が認められた。よって麻酔下における心拍変動の周期解析は, 自律神経系のモニターとして有用な方法であることが示唆された。
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