モルヒネの硬膜外投与による術後の鎮痛効果を検討するため, 東京大学附属家畜病院にて種々の外科手術を受けた犬119頭において, 鎮痛度, 鎮静度, 呼吸数, 心拍数について抜管後24時間まで評価を行った。その結果モルヒネ投与群では, 術後0.5時間-18時間の間のすべての観察点においてペインスコアが, 対照群と比較して有意に低かった。侵襲の大きな上腹部や整形外科手術を受けた症例を除いて, モルヒネの硬膜外投与は術後の疼痛を十分に抑制し, 一般状態の低下した症例や高齢の症例に対しても, 呼吸抑制のようなモルヒネ硬膜外投与に起因すると考えられる副作用は見られなかった。
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