去勢術を行った42頭の馬の麻酔にキシラジン (Xy) , メデトミジン (MEd) , およびケタミン (KET) を用いた静脈麻酔を応用し, 臨床的有用性を検討した。供試馬をI (n=3) , II (n-9) , III (n=10) およびIV (n=20) 群に分け, すべての馬に麻酔前投薬としてアトロピン0.01mg/kgを静脈内投与した。I群ではアトロピン投与後に前投薬としてMEd 10μg/kg, IVを投与し, II群ではMEd 5μg/kgを前投薬し, 手術直前にさらにMEd 5μg/kg, IVを投与した。III群では前投薬にMEd 5μg/kg, 術前にMEd 10μg/kg, IVを投与し, IV群では前投薬にXy1.5mg/kg, 術前にMEd 10μg/kg, IVを投与した。各群とも麻酔薬前投与後にKET2.0~2.3mg/kgを静脈内投与して倒馬した。IV群では安全でスムースな倒馬と, 術中の十分な筋弛緩と疼痛刺激に対する反応の消失が得られ, 覚醒時の起立も良好であった。IV群の倒馬から起立までの時間は52.8±11.4分であり, 2種類のα
2-作動薬を併用したものの顕著な副作用は認められず, 他の群と比較して臨床的に有用と考えられた。
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