獣医麻酔外科学雑誌
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26 巻, 1 号
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  • 陰山 敏昭, 武藤 眞, 道岡 清美, 松浦 寛人, 若尾 義人, 渡辺 俊文, 高橋 貢, 鈴木 立雄
    1995 年 26 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1995/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    膝関節前十字靱帯再建術における重要なファクターには再建材料の種類, その固定部位, 固定方法, 固定時の膝関節角度等があるが, 犬で生体力学的に検討した報告は著者の知るかぎりではない。そこで関節内法および関節外法において, 膝関節の可動域における再建靱帯の固定間距離の計測を行い, 手術時における至適固定部位について検討を加えた。その結果, 最も等長性が保たれた部位は関節内法では前十字靱帯脛骨側付着部の前内側部と前十字靱帯大腿骨側付着部の後上縁の組み合わせであった。また, 関節外法では外側ファベラと脛骨粗面近位の組み合わせが最も良好であり, 伸展位で固定すべきであると考えられた。
  • 矢田 新平, 原 広幸, 北野 寿, 下内 可生里
    1995 年 26 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1995/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    交通事故で後肢の遠位部に広範囲な皮膚欠損を生じた猫3例に, 浅後腹壁動静脈を用いた動・静脈温存皮弁による有茎皮弁を作成して再建手術を行ったところ, 良好な成績が得られた。3症例ともに, 幸いにパッド部分の欠損は免れていた。症例1の茎部は最後まで壊死しなかったのに対し, 症例2と症例3はともに術後4日, 7日目に壊死がみられた。これは茎部を形成するために切離した移植皮膚弁の幅が狭すぎたため血管を包含して有茎とした場合に, 動脈や静脈が圧迫されて血行障害を起こしたものと思われた。しかしながら当初の目的である皮弁による皮膚移植は生着したことより, 皮弁茎部の血行は術後少なくとも4日間の血行障害が見られなければ移植皮弁が生着することが判明した。本術式の難点はドナーの皮膚欠損部が広範囲にわたることと毛の生える向きが逆になることであるが, 皮弁による皮膚移植の成功率が極めて高いことを考慮すれば, 本術式は臨床的に有用であると考えられた。
  • 帆保 誠二, 山内 龍洋, 植山 泰博, 吉田 光平
    1995 年 26 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 1995/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    喉頭蓋エントラップメント (EE) を発症した競走馬4頭に対し, 高周波焼灼装置, EE用鉤状カッターを用いた外科的療法を試みた。まず1頭においては, 鎮静下での高周波焼灼法による披裂喉頭蓋ヒダの切開をおこなったが, 嚥下反射を完全に抑制することが出来ず, 不十分なものであったため, 全身麻酔下でのEE用鉤状カッターによる切開を試みた。また他の3症例では, 前例での経過を考慮し, EE用鉤状カッターによる切開を試みた。これらの結果, 術後の経過は良好であり, 短期間の休養のみでトレーニングに供することができた。以上より, 競走馬に発症したEEに対しては, 休養期間の短さや, 術後の患部の経過等から, EE用鉤状カッターによる外科的療法が有効であることが示唆された。
  • 下澤 邦夫, 内山 孝志, 水野 豊香
    1995 年 26 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 1995/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    直接および間接ヘルニアを併発した7歳のサラブレッド競走馬に対し, 外科手術を実施した。間接ヘルニアをおこした空腸は約30cmにわたり壊死していたため, 開腹し腸管切除を実施した。直接ヘルニアのヘルニア孔は鞘状輪の外側5cmの腹膜および横筋々膜の数ケ所の断裂部であったが, この部位から脱出した約50cmの空腸には異常は認められなかった。症例馬は順調に回復し, 発症から15週目に競走に復帰した。
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