獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
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40 巻, 2 号
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原著
  • 李 秀貞, 三輪 恭嗣, 西村 亮平, 鄭 雄一, 鈴木 茂樹, 佐々木 伸雄
    2009 年 40 巻 2 号 p. 19-26
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/28
    ジャーナル フリー
    トレハロースとカルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)による開腹手術後に生じる腹腔内臓器癒着防止効果を検討した。40羽のニュージーランドホワイトウサギを用い、すべての動物に卵巣子宮摘出術を実施した。対象群(A群:n=6、C群:n=14)では、60分の術中に腹腔内臓器を腹腔外に出して乾燥させ、一方、実験群(B群:n=6、D群:n=14)では、開腹直後から15 分ごとにトレハロース溶液を腹腔臓器の表面に噴霧し(合計5回)、さらにD群では、卵巣動静脈結紮部と子宮断端縫合部を生理食塩水とSCMCを吹き付け、ゼリー状にカバーした。術後14日目に安楽死し、腹腔内臓器の癒着を肉眼的ならびに組織学的に評価した。トレハロースの噴霧により、非手術部位で、乾燥によると考えられる臓器表面の癒着部位数と程度は減少する傾向を示した。またSCMCとトレハロースの併用により、術創部位において癒着を有意に減少した(p<0.05)。このことから、両者の併用はウサギの卵巣子宮摘出後の癒着防止効果を示すことが明らかとなった。
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