7歳齢の雑種, 避妊済みの猫が嘔吐を繰り返すのと主訴で来院した。腹部触診で腹腔内腫瘤が触知され試験的開腹術を行ったところ, 空腸部に腫瘤病変を認めたため摘出し, その後吻合術を実施した。摘出した腫瘤は病理組織学的検査により腸腺癌と診断された。5ヵ月後, 再び嘔吐と食欲不振の主訴で来院し, 腹部触診にて腫瘤が触知され, 胸部X線検査で肺転移が認められた。再び開腹術を実施したところ, 吻合部における腫瘍の再発と腹膜炎, 腹水の貯留, 肝臓, 脾臓, 膀胱, 腸管への転移が認められた。猫は初回手術より169日間生存した。
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