12頭の雑種成犬を用い, 塩酸ケタミン5mg/kgまたは10mg/kgを3日おきに計10回静脈内に反復投与し, その影響を観察した。痛覚回復, 起立および歩行までに要したそれぞれの時間は, 短縮する傾向がみられ, それは耐性の発現によるものと考えられた。血圧, 心拍数, 呼吸数および体温では, 反復投与の影響は観察されず, また他の特記されるべき副作用もみられなかった。これらのことより, ケタミン反復投与のリスクは小さく, 臨床応用が可能であるが, 使用にあたっては, 耐性の発現と投薬量について検討する必要があると思われた。
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