Otology Japan
Online ISSN : 1884-1457
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ISSN-L : 0917-2025
33 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
第32回日本耳科学会総会特別企画
テーマセッション2
  • ―自研究結果をあわせて
    内田 育恵, 杉浦 彩子
    2023 年 33 巻 2 号 p. 79-84
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/28
    ジャーナル フリー

    難聴が認知症のリスクとして認識されていても,補聴器もしくは人工内耳を用いた聴覚補償が,認知機能低下/認知症,脳形態に対して有益な効果を示すかどうかのエビデンスは限定的である.聴覚補償の認知機能低下/認知症への効果に関する最新のシステマティックレビューおよびメタアナリシスが2023年に公開され,聴覚補償デバイス使用は,長期的には認知機能低下リスクの19%の軽減,短期的には一般的認知テストスコアの3%の改善と,有意に関連すると報告された.このレビュー内に選出された自研究結果をあわせ,認知機能や脳形態の変化に注目した聴覚補償の意義を概説する.認知症の根治療法は未だ容易には望めないことから,難聴へのアプローチに寄せられる社会的な期待は高まってきており,聴覚補償が認知機能に寄与する効果の検証を続けていく必要がある.

テーマセッション6
  • 馬場 信太郎
    2023 年 33 巻 2 号 p. 85-89
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/28
    ジャーナル フリー

    小児のBell麻痺やRamsay Hunt症候群において発症早期の完全麻痺症例では,プレドニゾロン3–4 mg/kgから10日程度で漸減投与した 高用量群は0.5–1.0 mg/kgから10日程度で漸減投与した低用量群と比較して,顔面運動,後遺症ともに有意に改善した.小児においても重症例に対しては発症後早期に高用量のステロイドを投与するべきであると考えられた.

    ミラーバイオフィードバック療法とは,鏡を見ながら表情の動きをコントロールし,口運動時の不随意は閉瞼を抑制するリハビリテーションであり,顔面運動回復過程で口運動が見られ始めたら開始する.ミラーバイオフィードバックが十分にできた小児の発症後1年後において,十分に指導ができなかった乳幼児と比較し有意に後遺症が少なかった.小児症例では,脳の可塑性が高いため,ミラーバイオフィードバック療法の効果が高いことが示唆された.

公募セッション2
特別企画「伝承したい私の極意・技」
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