日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
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口頭発表
  • 橋本 光子, 鎹 吉, 安武 恵美
    セッションID: 2D-p4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】我が国における現在の保育所給食は保育の一貫として位置づけられ、特に低年齢児においては、個人差が著しいことから「子ども中心の給食」が望まれ、正しい食習慣の形成を重要視されている。今回は給食内容の充実に質することを目的として、熊本市内の完全給食を実施している乳児保育所の2歳児の給食献立内容について調査、分析を行い、その特徴を明らかにすることを試みた。
    【方法】2歳児の給食献立の内容について献立構成要素の出現率、食品素材の出現頻度、食品群別の出現頻度と種類数、ABC分析、調理法の出現頻度、食品の共出現頻度と関連度を調べ、さらに主食・テ゛サ゛ート・間食(おやつ)についてはそれぞれ種類別の出現頻度について給食内容を検討した。調査期間は平成16年4月から平成17年3月までの1年年間。
    【結果】献立構成要素は汁物・米飯・主菜・テ゛サ゛ートの献立である序論・本論・結論の組み合わせが最も多く、使用食品素材の種類数は239種、述べ5554品目となり、ほぼ70種類の食品(調味料以外)で構成され、調味料の種類は12種類となった。食品群や食品の種類数では野菜、穀類、果物の出現が多くみられ、調理法の出現頻度では果物などの「生もの」と「炊飯」「和風汁物」で50%を占めていた。食品の共出現頻度は玉葱ー人参の組み合わせが最も多く、調味料では砂糖ーしょうゆの組み合せが多かった。これらの結果から野菜を豊富に取り入れた和風の味付けが多いことが明らかとなった。また、行事食や旬の素材を取り入れたハ゛ラエティ豊かな献立も提供されており、栄養面の配慮の他、喜ばれる内容の工夫にもきめ細やかな配慮の伺える献立内容であることが確認出来た。
  • 廣木 奈津, 小川 久惠, 松本 仲子
    セッションID: 2D-p5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    〈目的〉高齢者が食物をおいしく食べることは、QOLの向上に欠くことができないものであり、栄養のバランスがよい食生活は、健康を維持増進するために重要である。ここでは認知症高齢者グループホームの食事の向上を図ることを目的として、供される料理の喫食頻度や喫食者の嗜好および食事に関する作業において障害となることなどについてアンケート調査を行った。
    〈方法〉料理の調理頻度および喫食者の嗜好については、一般家庭においても調理頻度が高い256品目の料理を中心として5段階評点法で質問した。また、調理作業において障害となる点については、仕事上の問題点や人手の過不足などについて質問した。調査対象は全国216施設で、回答は施設長あるいは主たる調理担当者に依頼し、郵送法により調査した。
    〈結果〉調理頻度が高いのは野菜類の和風煮物、低いのはいか、たこを使用する料理であった。嗜好度については、和風煮物、刺身、すし類が高く、キムチ、ステーキなど外国料理が低い傾向がみられた。しかし、すべての料理が「どちらでもない」から「好き」に評価されており、嗜好度が極めて低い料理はなかった。調理頻度と嗜好度の間には有意な相関がみられ、一般高齢者と同様に「和風」「やわらかい」「ごはん食」「魚」を好み、それらは調理頻度も高い傾向がみられた。しかし、刺身やいか・たこの料理などは衛生上、あるいは義歯への考慮から調理頻度が低く、入居者の嗜好に応えていない料理もみられた。食事に関する作業で障害となることについては、81%の施設が献立を立てることが難しいと回答し、調理ができない人がいる、あるいは人手が足りないといった回答を大きく上回った。このことから、介護職員の養成施設においては、現在はほとんど行われていない献立作成についての教育が組み込まれることが望まれる。
  • 山田 幸枝, 服部 しげこ, 西堀 すき江
    セッションID: 2D-p6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】 近年、増加傾向にあるメタボリックシンドロームなどの生活習慣病予防のためには栄養バランスのよい食事が重要であることはよく知られている。しかし、初心者にとって、栄養バランスのよい献立を作成することは難しく、また、作成に長い時間を要する。そこで、今回は、初心者を対象に単位表記をしたメニュー集を用いて献立演習を行い、献立作成時間、栄養バランスなどについて検討した。
    【方法】 1単位/80kcalとして各献立毎に単位数が表記されている『介護食七変化 メニュー500』を用いた。対象者は、平成18年度本学人間健康学部管理栄養学科入学生、男子学生15人、女子学生71人であった。指示エネルギー量は、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の<エネルギーの食事摂取基準:推定エネルギー必要量(kcal/日)>の年齢18から29(歳)を用い、自分のエネルギー量を単位に換算した。1回目は1日分の単位数を満たすように献立を選び、朝食・昼食・夕食の3食分の献立を作成するように指示した。2回目は、主食・主菜・副菜・幅々菜の考え方、穀物エネルギー比50から60%の情報を与え、献立作成を指示した。
    【結果】 1回目の献立作成では、極端に主食が少なく、穀類エネルギー比を27.2%、たんぱく質124.7gと推奨量の2倍以上になる献立を作る男子学生いた。一般的に、穀類が少なく、たんぱく質が推奨量の1.5倍近い献立が多かった。主食・主菜・副菜・幅々菜の取り合わせ、穀物エネルギー比50から60%を指示した2回目の献立は、たんぱく質量の推奨量の1.2倍程度で、他の栄養素のバランスもよい献立が多くなった。
  • 電子掲示板の活用の可能性
    岸田 恵津, 永田 智子, 前田 智子, 西森 年寿, 中原 淳, 鈴木 真理子
    セッションID: 2D-p7
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】現行の学習指導要領には,家庭科においても環境に関する学習指導を行うことが示されているが,「家庭」教員免許状を取得するのに必要な科目として環境に関する科目が設定されていない。筆者らは免許必修科目の「調理実習」で環境教育に取り組んできたが,授業時間の不足により十分な効果が得られていない。そこで電子掲示板(BBS)を使用して調理と環境の関わりを議論する課外学習を導入することによる学習効果について実践を通して調べた。
    【方法】調理実習において環境教育に関わる活動を行い,さらにそれに関するBBS上での議論(水・ごみと調理について)を取り入れた授業を行った。BBS未使用群(2000と2004年度,37人)とBBS使用群(2002と2003年度,27人)について,質問紙調査(環境に配慮した生活行動,児童・生徒に「学ばせたいこと」)と課題レポート(大学の調理実習で学ぶこと)の記述内容の分析,及びBBS上の発言状況を調べることにより導入の効果を評価した。
    【結果】BBSでの議論は授業者の介入により深められていたが,将来の家庭科教師として調理実習の指導と環境教育を結びつけて考えるようになるまでには至らなかった。授業終了後の調査の結果,BBS使用群の方が,環境に配慮した生活行動が多くなり,調理実習は環境についても学ぶ場であるという意識が高まっていた。「学ばせたいこと」としては,いずれの群でも「楽しさ」「調理技術」が上位にあげられていたが, BBS使用群の方が,調理実習を通して環境に関わる内容を学ばせたいと考えられるようになる傾向があった。以上より,調理実習にBBSを使って環境について議論する課外学習を取り入れることの可能性が示された。
  • 平成13年度から18年度の推移
    楠瀬 千春
    セッションID: 2D-p8
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】管理栄養士養成施設では、新カリキュラム施行により調理系科目の単位は減少傾向にあるが、調理の技術等の十分でない学生も少なくない。しかし学生のスキルがどのように変化しているかの実態報告例は少ない。本研究では調理の指導法を検討することを目的とし、調理に関する意識や日常の調理についての調査を1.入学時点と2.一年間の調理関連の授業を終了した時点の年間2回実施した。さらにこの1.2.の調査を平成13年から6年間にわたり実施した。本報告は、1.の入学した時点の学生の実態について6年間の推移を報告する。
    【方法】調査期間:平成13年度から18年度(H13からH18)の4月開講日。対象:本学1年生(有効回答数、H13;108名、H14;106名、H15;99名、H16;110名、H17;104名、H18;103名)。調査項目:調理に関する意識、日常調理を行う頻度、調理技術全般に関する自己評価、基本的な調理技術習得の有無、基本調理技術を習得した主な環境などの6項目。
    【結果】野菜を千切りする等の基本的操作は、H13は80%の学生ができると回答したが、H18は58%まで減少した。この技術を習得した環境はH13は自宅が70.9%で最多であったが、H15から自宅より中高等学校 (学校)との回答が増加した。その傾向はより高度な技術の「魚の3枚卸し」で顕著で、習得した環境はH13は自宅54.5%、学校45.5%であったがH14年は自宅と学校が同割合、H15から両者が逆転しH18は学校53.8%、自宅38.5%であった。技術向上には教育機関の役割が重要であることが示唆されたが、一方で学生の約15%が高校卒業時に調理師免許を取得済みである現状から学生間の技術格差が大きく画一的な指導は困難であることが示された。週2から3回調理を行う学生が6年間で徐々に増加傾向である事と、6年間を通じて入学生の意識が高くほぼ100%の学生が技術向上を望んでいる事から、日常的に学生自身が調理する機会が増加するような指導が有効であると推察された。
  • 武田 燈, 田中 美保, 鈴野 弘子, 石田 裕
    セッションID: 2E-a1
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    「目的」ヒトは生理的に甘味を好む。甘味料として我が国では一般的にサトウキビから得られた蔗糖が用いられている。しかしインドネシアのスラウェシなどでは砂糖椰子の樹液を濃縮したグラメラという甘味料も利用されている。グラメラは酸味のある独特の風味をもちグラは糖、メラは赤色を意味するように赤褐色をした含蜜糖であり、未精製糖であることから黒砂糖と似た成分、機能および利用特性を有することが考えられる。そこでグラメラについて、一般成分、ミネラル、糖組成、有機酸組成、抗酸化活性を測定すると共に調理特性について、黒砂糖を比較対照として検討を行った。
    ;「方法」一般成分およびミネラルの測定は日本食品標準成分表の試験法に従った。糖および有機酸組成はGC法で行った。また抗酸化性の測定はDPPH法を用いた。調理特性については黒砂糖および上白糖を比較対照として行った。
    ;「結果」一般成分は黒砂糖と大きな違いはみられなかった。ミネラル成分はいずれも鉄がほぼ10mg/100gと高い含有が見られ、その他の成分も未精製糖であることから、上白糖と比べるといずれも高いという結果が得られた。糖組成について蔗糖はグラメラが95.3%、黒砂糖は99.5%、果糖はそれぞれ3.5%と0.5%であった。またグラメラはpHが4.8と黒砂糖の6.0に比べ明らかに低く、有機酸組成をみるとグラメラは乳酸が0.7%と黒砂糖の4倍以上含まれ、酢酸も0.34%に対し0.07%と約5倍が検出された。抗酸化活性については比較実験の結果、黒砂糖ほどではないが、抗酸活性を有することが明らかとなった。またこの抗酸化活性は時間の経過、加熱による低下はあまり見られず、調理による安定性にも優れているといえる。その他調理特性として、泡の安定性は砂糖同様良好であり、表面の照りについては、グラメラが優位であった。
  • 村松 美佳, 岩本 佳代子, 鈴野 弘子, 石田 裕
    セッションID: 2E-a2
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    [目的]アサイヤシの果実は、赤道直下のべレンやマナウスのようなアマゾン川流域のみで食べられている。果実は黒紫色、直径1_から_2cmで本地域では長年利用され、果実自体に甘さはない。現地では摺りつぶしてキャッサバ粉や魚介類を混ぜ主食として食べる他、「ビーノデアサイ」といわれる、ジュースやアイスクリーム、リキュール、ミンガウ、デザートなどにも利用されている。アサイヤシの果実は、鉄、ビタミンB1、ポリフェノール類が豊富であるという点で注目されている。アサイヤシは果皮も含めた果肉部分が約17%で、その他は種子である。この種子はラン栽培の植え付け材料としても利用されるが、ほとんどはゴミとして捨てられ、食用としては調味料としてごくわずかに使われているにすぎない。現在では、家畜の餌として使用するという研究が行われているが、渋みや苦味が強いため単独での利用は困難である。そこで本研究では、この種子の持つ渋みや苦味を活かし嗜好品としての利用を考え、またポリフェノール類の機能性にも着目し有効な利用法を探ることを目的とした。
    [方法]一般成分、ミネラルおよび食物繊維の測定は5訂日本食品標準成分表の試験法に従った。また、ポリフェノール類の測定はフォリンデニス法、抗酸化活性の測定はDPPH法で行った。利用性については、抽出液としての利用を考え、水およびアルコールに対する相性を含め官能評価を行った。
    [結果]種子自体の成分は、水分は10%と少なく炭水化物が60%を占めている。また食物繊維は不溶性食物繊維が多く、炭水化物中の90%を占めている。ポリフェノール類はタンニン酸として20%とかなり高い含有を示している。またDPPHラジカル消去能も強く、抗酸化活性が高い。これらの結果から、抽出物の特性を活かすため、アルコールの添加が有効であり、嗜好的にも好まれた。
  • 佐藤 幸子, 数野 千恵子, 西島 基弘
    セッションID: 2E-a3
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】食材として料理に利用されるハーブは、芳香、辛味、着色の他に、肉や魚などの臭み消しに利用されている。ハーブの香気成分が調理法により、どのような挙動をとるかの検討を行っているが、今回、Thymes(シソ科)をホタテ貝柱の加熱調理に用いて香気成分が、どのように変化するかについて検討した。また、前処理法としてヘッドスペースガス(HS)法および水蒸気蒸留法を比較した。
    【方法】試料は、市販のThymesとホタテ貝柱を使用した。加熱調理条件は、1)オーブン加熱(170℃、5分間) 2)電子レンジ(700W、2分間) 3)真空調理とした。分析方法として、HS法では固相抽出(SPME)法を、水蒸気蒸留法は、精油定量器で抽出し、いずれもGC-MSにより香気成分を測定した。
    【結果】Thymes(フレッシュ)の香気成分は、オーブン焼、電子レンジの加熱調理により主成分であるγ-Terpinene,p-Cymene,Thymolが減少する傾向を示した。真空調理においては、ほとんど変化が見られず、Thymes のさわやかなレモン様の香りを有した。HS法および水蒸気蒸留法の結果を比較すると、HS法ではγ-Terpineneが最も多く、次いでThymol、p-Cymene順であった。
    生ホタテの香気成分はHS法ではほとんど検出されなかった。蒸留法では主香気成分である2,3,5-Trimethylpyradineが検出された。ホタテのみを加熱調理したときに比較し、Thymesを添加した後に加熱すると2,3,5-Trimethylpyradineが減少する傾向が見られたことから、Thymesの香気成分がホタテの臭いを和らげていると推察される。
  • 十川 詩帆, 瀬川 めぐみ, 小関 宏明, 島田 規男, 大橋 且明
    セッションID: 2E-a4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    (目的)
     フォンダンとはソフトキャンデーのシードや菓子パンの表面をコーティングするフィリング剤として使用されている糖の微細結晶である。現在フォンダンの材料としては砂糖・水飴が使用されており、砂糖・水飴以外の糖類及びシュガーレス素材を使用したフォンダンの製法は確立されておらず、その製法の確立が望まれている。
     一方シュガーレス素材の中でも「マルチトール」は砂糖に近い甘味質と非う蝕性、低カロリー性等の機能性からガムやキャンデーなどで幅広く使用されている糖質である。
     そこで本研究ではこのマルチトールを使用したフォンダンの製法を検討した。
    (方法)
     結晶マルチトール溶液に対して結晶マルチトール粉末を0から4%(w/w)シードとして加えた時の結晶化の速度を測定した。また、フォンダンの水分量とフォンダンの状態の関係を調べた。
    (結果)
     結晶マルチトール粉末をシードとして添加する事で結晶化速度を十分に進める事が出来た。また、フォンダンの水分量を12%にする事で、砂糖と同様な微細結晶からなる滑らかな状態のマルチトールフォンダンに仕上がる事が分かった。
  • 松本 真実, 石橋 あや, 高田 千夏, 朝倉 富子, 伊藤 圭祐, 阿部 啓子, 舟木 淳子
    セッションID: 2E-a5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】ミラクルフルーツの果実に含まれるタンパク質ミラクリンは、そのもの自身は無味であるが、これを味わった後に口に入れた酸を甘く感じさせるという性質を持つ。この効果は数時間持続し、その間、酸はショ糖のように甘く感じられる。このように一時的に味覚を変える物質を味覚修飾物質という。糖尿病や肥満が社会問題になっている先進諸国において、非グリセミック(低カロリー)甘味料は健康面でのベネフィットから注目され、また酸味の強い食品の摂取を容易にするという利点もある。本研究ではミラクルフルーツの甘味誘導効果の基礎的性質を得ることを目的とした。

    【方法】ミラクルフルーツの果肉を100mM酢酸緩衝液で十分洗った後、0.5 M塩化ナトリウム溶液で抽出した後、70%飽和硫安沈殿画分を得、10mM酢酸緩衝液(pH5.5)で透析し、凍結乾燥して粗精製ミラクリンを得た。1mg/mlのミラクリン水溶液1mlを口に含んだ後、各種酸溶液、苦味溶液、塩化ナトリウム溶液について官能評価をおこなった。また、甘味誘導効果を消失させるものについても検討した。

    【結果】粗精製ミラクリンによって、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸等、各種酸溶液に甘味が誘導された。特にクエン酸溶液やアスコルビン酸溶液は強い甘みを感じ、その味はスクロース溶液の味と類似していた。しかし、苦味溶液や塩化ナトリウム溶液の味の変化はみられなかった。また、塩化ナトリウム溶液で口をゆすいだ時は、蒸留水で口をゆすいだ時よりも甘味誘導効果が減少した。
  • 渡部 絵里香, 江端 恵加, 綿貫 亜紀, 沼尻 さやか, 片寄 政彦, 数野 千恵子
    セッションID: 2E-a6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】 昨年度の本学会で、電解生成水を煮大根、スパゲッティーなどに適用したところ、アルカリ性電解水では、試料が軟らかくなることや調味料の浸透が良くなることを報告した。今回、これらの現象にpHが影響しているか、他の要因によるものかについて、大根を用いて検討した。
    【方法】 試料水は電解水生成装置で生成したアルカリ性電解水(pH9.8)、酸性電解水(pH5.8)、及び1mol/L NaOHで調製したアルカリ性模擬水(pH9.8)、1mol/L HClで調製した酸性模擬水(pH5.8)を使用した。模擬水はそれぞれ水道水と蒸留水で調製した。なお、対照として活性炭を通した水道水を用いた。大根は直方体(1×1×2cm)にカットしたものを、それぞれの試料水で20分間煮た後、破断強度、塩分、ショ糖含有量及びPAS染色法により、細胞を観察した。
    【結果】 1) 破断強度 :試料を20分間煮た場合、水道水に比較してアルカリ性水では軟らかく、酸性水では硬くなることがわかった。水道水で調製した模擬水はアルカリ性、酸性共に電解水との差は見られなかったが、蒸留水の模擬水で煮たものは電解水より硬かった。同じpHの煮汁であっても大根の硬さに違いが出たことや、調味料を加えた場合に、蒸留水で調製した模擬水で煮た大根が軟らかくなることから、水に溶解している塩類の影響が大きいことが推察される。
    2) 塩分及びショ糖含有量 : 水道水に比較して、アルカリ性水を用いると塩分、砂糖の吸収が良いことがわかった。酸性水は水道水と大差が見られなかった。蒸留水で調製した模擬水と電解水を比較すると調味料の吸収が悪かった。
    3) PAS染色による顕微鏡観察 : 酸性水に比較してアルカリ性水で煮た大根の細胞壁は不明瞭であった。
  • 水 珠子, 長尾 慶子
    セッションID: 2E-a7
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】 当研究室では、食材加熱中の熱移動現象の解明を目的に、食材をモデル化した系による加熱実験を行ってきた。今回はO/W型およびW/O型エマルションを調製し、水と油の量比あるいは分散媒の種類の違いが内部熱移動現象に及ぼす影響について検討した。
    【方法】 水、コーン油および親水性・親油性各種食品用乳化剤を材料とし、油相体積分率(φo)を 0.65 から 0.9 に変えたO/W型乳化系と、水相体積分率(φw)を 0.4 から 0.8 に変えたW/O型乳化系を調製した。各試料の熱伝導率 λ の測定と熱拡散率 α の算出、鍋焼き加熱した際の加熱面から内部一次元方向各位置(0,1,3,5,7および10mm)の温度上昇曲線から算出した時間定数 τ(x ) 、光学顕微鏡による分散状態の観察と分散粒子径分布の解析、ならびにE型粘度計による粘度測定を行い、各乳化モデル系中の熱移動現象の追跡とレオロジー的性質とを比較・測定した。
    【結果】 O/W型およびW/O型各エマルション試料の熱拡散率 α は、水分量ならびに温度の増加と共に上昇する。試料中の熱移動速度の指標となる時間定数 τ(x)の逆数も、乳化系のタイプにかかわらず系の水分量の増加と共に上昇する傾向が見られた。O/W型とW/O型エマルションのいずれにおいても、分散相体積分率 (φo or φw) が 0.4 から 0.6 の範囲において、分散状態が不安定であった。特に、W/O型エマルション試料は、分散相である水粒子間のファンデルワース引力の影響が大であることが示唆され、実際に分散水粒子の凝集が進行しやすい状況が見られた。 
  • 喜多 記子, 長尾 慶子
    セッションID: 2E-a8
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】ココアは特有の風味と共に健康機能性面でも注目されている食材の一つである。演者らは、先に加熱用食材モデルを調製する食材として用いたココアの両親媒性を明らかにしたが1)、さらに今回はココアの特性に着目し、ココアおよび小麦粉に加える液相に水とコーン油の割合を変えたW/O型あるいはO/W型のエマルションを用いた生地を調製し、加熱中の伝熱現象ならびに加熱前後の物性に対する影響について検討した。
    【方法】ココアの両親媒性1)を利用して水とコーン油とからなるW/O型およびO/W型のエマルションを調製し、それを小麦粉とココア粉末とからなる固体相に加えて一連のクッキー生地を得た。これら生地の熱伝導率を測定し、併せて金属製容器を用いた鍋焼き加熱を行った際の各生地内部温度の上昇曲線を求め、加熱速度を律する遅延時間定数を得た。また、各生地の応力緩和現象の温度依存性と焼成クッキーの破断試験を行った。液相中の水をココアの熱水抽出液に変えて調製したココアクッキーも同様な実験を行った。
    【結果】熱伝導率測定と遅延時間定数の結果、伝熱特性には、いずれの試料もW/O型、O/W型の乳化形態よりも、先行研究2)と同様に含有水分量による影響が大であった。クッキーの破断測定の結果、液相中の水が45%の試料では、小麦粉のみの試料に比べ、小麦粉にココア粉末を添加することで、破断応力、破断エネルギーともに低い値となった。また、W/O型よりもO/W型エマルションを用いた試料の方がその値は高い傾向が見られた。
    1)喜多、長尾:家政誌56、597(2005)、2)藤井、長尾:日調科誌37,283 (2004)
  • 石井 克枝, 織井 いづみ
    セッションID: 2E-a9
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】
    アセスルファムカリウム(アセスルファムK)は、わが国では2000年に認可された新甘味料である。砂糖の200倍の甘味度を有し、低カロリーで、熱や酸に強く安定であり、風味増強剤としての機能もあるとされ、最近では、他の甘味料と併用され、すっきりとした甘さと評され需要を得ている。そこでクッキーにアセスルファムKを利用する際の諸条件とクッキーの性状を明らかにすることを目的とした。
    【方法】
    試料:小麦粉、バター、卵、砂糖を使用して作成したクッキーを基準として、アセスルファムK(サネット:武田キリン食品KK)を砂糖に代えて使用したクッキーと比較し評点法による官能検査を行った。評価項目は色、風味、甘味、苦味、テクスチャー、総合評価とした。また、小麦粉の代替としてコーンスターチを用いた。さらに、卵使用と甘味の関係については全卵使用を基準とし、卵黄のみ、卵白のみ、卵白(pH5)のクッキーを比較した。卵白のpH調整にはレモンを用いた。
    【結果】
    砂糖に代えてアセスルファムKを甘味度200として使用すると甘味の少ない苦味のあるクッキーとなった。苦味発現のため、アセスルファムKの使用量は全質量の0.1%が使用限度であり、甘味を砂糖と同等にするには砂糖の50%置換が最大量であった。アセスルファムK使用すると、小麦粉のグルテンが形成されクッキーのショートネスが減少した。小麦粉に代えてコーンスターチを20%使用するとテクスチャーが改善された。アセスルファムKは特に卵白のみのクッキーで甘味減少が顕著であった。卵白にレモン汁を加えてpH5に調整したクッキーでは甘味が減少せず、卵による甘味減少は、卵白のアルカリ性によるものと考えられた
  • 和田 拓郎, 五十嵐 圭里, 松田 秀喜
    セッションID: 2E-p1
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】近年、食品の味を客観的に評価する手法として味覚センサーの利用が検討されており、水、ビールなどの識別が試みられている。一方、KClは食塩代替品としてよく用いられているが、特有の苦味等を有する為、一般食品への利用は限られており、減塩しょうゆについては利用そのものが困難である。本研究では、このようなKClの呈味性を評価する為、減塩しょうゆ上でのNaClおよびKClの味を官能および味覚センサーで評価し、その相関性について検証した。
    【方法】市販の減塩しょうゆにNaClおよびKClを添加しサンプルとした。官能評価は順位法を用いて点数化し、その合計点についてKendallの一致性係数による検定を行った。味覚センサーによる評価はαAstree(プライムテック)を用い、得られた出力から主成分分析を用いてサンプルの関係をマッピングした。さらにPLS回帰分析によって官能評価結果との相関性を検証した。
    【結果】味覚センサーにより減塩しょうゆにおけるNaClおよびKClの濃度差は識別され、それぞれの成分濃度に方向性が示された。さらに官能評価結果と味覚センサーによる解析結果に相関性が見られ、減塩しょうゆの味質の違いを客観的に評価できる可能性が示唆された。この方法を用いて市販しょうゆに対し評価を実施した結果、官能評価を支持する味覚センサーの解析結果が得られた。
  • -味の浸透とテクスチャー-
    大倉 洋代, 大久保 真衣, 黒川 理加, 喜多 記子, 長尾 慶子
    セッションID: 2E-p2
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    〔目的〕特有の風味と健康機能面から黒砂糖調理の有用性が注目されている。本研究では演者の大倉が鹿児島喜界島産サトウキビから手作りした黒砂糖を試料として、調製法の異なる煮物を調製し、食品中への味の浸透状況と物理的性質を白砂糖と比較検討した。
    〔方法〕3_cm_角にした男爵イモを、a.10%の黒砂糖液および上白糖液中にて定時間煮熟、b.イモを沸騰水中で9分加熱後に黒砂糖および上白糖を添加し定時間煮熟、の2通りの方法で加熱し、破断特性、煮汁のpH、および加熱終了後の煮崩れ量を測定した。また同試料に蒸留水を加えホモジナイズし、5000rpm、15分間遠心分離した上澄み液の糖量を、ソモギ_-_法により測定し、加熱中のイモに浸透した糖量とした。さらに加熱時間の異なる煮熟イモ4試料を用いて、評点法による官能検査を行った。
    〔結果〕破断試験での硬さは、a法での黒砂糖の煮物が若干硬くなった。イモに浸透した糖量は、a法での白砂糖は加熱により増加し、黒砂糖は25分煮熟まで増加し、その後は一定となった。b法では糖の種類による有意な差は見られなかった。pHは黒砂糖では加熱後低下し、白砂糖は上昇した。煮崩れ量では、a・b法とも白砂糖使用時に多く、黒砂糖使用時と比較し5%の有意差が見られた。この原因として黒砂糖に含まれるミネラル類の影響が示唆された。a法による試料での官能検査の結果、色の項目で黒砂糖、白砂糖間で有意差が見られ、香りでは20分加熱の両試料間に有意な差を認めたが、甘さ、硬さの項目では有意差はなく、総合評価においても好ましさに有意差が認められなかった。以上より、黒砂糖の独特な風味は、煮物において一般に受け入れられていると考えられた。
  • 池田 博子, 園田 純子, 沢村 信一
    セッションID: 2E-p3
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    「目的」 抹茶は、茶浸出液と異なり攪拌により安定した泡を形成する。これは抹茶の粉体が泡沫形成に関与するためで、粉体の骨格を形成する繊維の形状や大きさによって泡立ちは大きく異なるといわれている。すでに、演者は粒度の異なる抹茶の起泡試験を行い、粒度の小さいものほど泡立ちが良いことを確認した。粒度の違いが起泡性に及ぼす影響は抹茶濃度によっても異なるのではないかと考え、抹茶濃度を変化させて、粒度と濃度が起泡性に及ぼす影響を検討した。
    「方法」 試料は(株)伊藤園製飲用抹茶を分級し、微粉抹茶(メディアン径6.84μm)および粗粉抹茶(メディアン径21.56μm)とした。対照として粉体の入らない碾茶の浸出液を使用した。抹茶碗に茶および湯(または浸出液)50mlを入れ起泡装置を用いて泡立て、90秒後と10分後の泡沫容積を測定し、泡膜液容積、起泡度および安定度を求めた。起泡条件は湯温度80℃、撹拌速度400回/分、撹拌時間30秒、茶濃度0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5%とした。
    「結果」 微粉は泡立ちがよく、粗粉や浸出液に比べ泡膜液容積の増加が著しかった。浸出液は濃度依存的に泡膜液容積の増加が見られた。微粉は一定濃度を超えると泡立ちが緩慢になり、粗粉は平衡になった。いずれの茶も泡の状態は濃度が高くなるに従い細かくなった。泡が細分化され、起泡度が低下するにもかかわらず、微粉、粗粉では2%を超えると安定度が増加に転じ、特に微粉で顕著であった。以上のことから、粉体は泡沫の形成に関与し、粉体の大きさ(粒度)が抹茶の起泡や安定化に影響することが示唆された。
  • 筒井 京子, 續 順子
    セッションID: 2E-p4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    [目的]n-3系脂肪酸の摂取比率を増加するため、n-3系脂肪酸の豊富な亜麻仁を出発材料として食パンの調製を試みた。油脂を亜麻仁油で置換して調製した食パンと亜麻仁粉末を強力粉と置換した食パンについて、それぞれの品質を検討した。
    [方法]強力粉、砂糖、スキムミルク、食塩、ドライイースト、水、油脂を捏ね機(大正電機製)で混捏し、直捏法により食パンを調製した。油脂の50%、100%を亜麻仁油で置換した食パンと強力粉の5%、10%、15%、20%をそれぞれ亜麻仁粉末に置換した食パンを調製し、それぞれ脂質量(CM改良抽出法)、脂肪酸量(メチルエステル化法)、酸化度(POV、COV)、体積(菜種置換法)、色調、物性を測定し、併せて官能評価(順位法)により品質を調査した。
    [結果]1.亜麻仁油を用いた食パンの品質:亜麻仁油を100%使用した食パンは、対照のバターを用いて焼成した食パンと比較すると、比容積が有意に小さく密度が高くなった。物性は硬さとガム性が有意に小さく軟らかいものになった。色調はb値が高く、黄色味が強くなった。官能評価では硬さ、舌触り、風味、後味で有意に好まれなかった。n-6/n-3は対照の7.5に比べ0.45と大きく低下した。POV、COVは焼成後5日を経ても0.7meq/kg、10meq/kgと変化はなかった。
    2.亜麻仁粉末を用いた食パンの品質:亜麻仁粉末置換食パンの物性は、置換割合20%で硬さとガム性が有意に高く硬くなった。色調は置換割合が高いほどL値が低下してa値、b値が高くなり、茶色味が強くなった。官能評価では置換割合が10%の食パンが香り、後味、総合評価で有意に好まれた。10%置換食パンのn-6/n-3は0.48と低かった。POV、COVも低値であった。10%置換食パンと亜麻仁油を使用した食パンの官能評価では、前者が好まれる傾向にあった。
  • 國崎 悦子, 倉岡 桂子, 田原 加奈子, 宮本 京子, 江頭 和佳子, 朝倉 富子, 阿部 啓子, 舟木 淳子
    セッションID: 2E-p5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】タンパク質ゲルは、カマボコをはじめとして日本人の食生活に馴染み深いものである。その独特のテクスチャーは多くの人々に嗜好されるが、咀嚼困難者にとっては摂取しにくい場合もあり、改善が望まれている。本研究では、タンパク質の部分分解作用によってこの問題が解決されることを期待し、プロテアーゼがタンパク質ゲルのテクスチャーに及ぼす影響について検討を行なった。代表的なタンパク質ゲルとして魚肉ゲルを選択し、合わせて卵白ゲルについても行なった。
    【方法】魚肉ゲルは以下の方法で調整した。玄海灘産マダイ(Pagus major)を原料とし、カマボコ作製方法を模して、水晒し、擂潰、食塩3%添加、蒸気加熱を行い、調整した2cm角の魚肉ゲルを1%プロテアーゼAアマノ「G」(PAA)水溶液に4℃で72時間浸漬した。PAAを用いずに同様に調整したものを対照魚肉ゲルとした。クリープメータ(株式会社山電)を用いて魚肉ゲルの破断強度を測定した。魚肉ゲルタンパク質の分解はSDS‐ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS‐PAGE)により観察した。
    【結果】破断強度解析で得られたPAA添加魚肉ゲルの応力‐歪曲線は、もとの魚肉ゲルに見られたはっきりとした破断点が見られなくなるなど、対照魚肉ゲルとは異なる特徴を示した。歪率20%におけるPAA添加魚肉ゲルの応力は22.6±2.4(103Pa)、対照魚肉ゲルの応力は192.9±5.8(103Pa)であった(危険率0.1%で有意差あり)。また、SDS‐PAGEによりミオシン重鎖(MHC)およびアクチン(A)が選択的に分解されたことが観察された。
    本研究の一部は、九州大学USIとの共同研究により実施されたものである。
  • 粟津原 理恵, 野村 孝弘, 二階堂 修, 長尾 慶子
    セッションID: 2E-p6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    目的: そばのポリフェノール成分であるルチンとゼラチンとの相互作用について、検討を試みた。これまでの基礎研究から、ゼラチンゲルの網目構造はルチンの添加により粗大化する傾向があり、さらにルチン添加量が増すと結晶の生成が見られゼラチンとの複合体形成も示唆された。これらの現象につき、ゼラチンゲルの力学特性、および複合体の分子量変化に注目して考察した。
    方法: アルカリ処理低温抽出ゼラチンを50℃で蒸留水に溶解し、メタノールまたはエタノール溶解したルチンを添加してルチン濃度50_から_1000ppmの試料(全量100g)を調製した。メタノール、エタノール添加試料をブランクとして、細線加熱法により40℃から5℃まで冷却した際の動粘度をモニタリングしゲル化温度を測定した。また、5℃2時間冷却で得られたゲルの力学特性を測定した。さらにこのゲルを60℃で再溶解後、結晶を遠心分離させた際の上清を希釈し、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による分子量測定を行った。
    結果: 細線加熱法による動粘度モニタリングの結果、ルチン添加濃度が低い場合には無添加の場合と近似した動粘度変化を示し、ゲル化温度の変動はみられなかった。しかし、高濃度添加においては結晶形成と関連したと思われる変化が見られた後ゼラチンのゲル形成が起こる傾向が見られ、ゲル化温度は低濃度添加よりも低くなった。終濃度1000ppm以上となると、動粘度変化は小さくなりゲル化点が検出できなかった。さらに、添加したルチン濃度別にSECクロマトグラムを比較すると、分子量分布のパターンに大きな変化はみられなかったが、クロマトピークはルチン濃度が高くなるに従って高分子側にシフトした。
  • 吉村 美紀, 桑野 稔子, 西成 勝好
    セッションID: 2E-p7
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】寒天・コラーゲンペプチド混合ゲルを調製し、寒天ゲルの性状におよぼすコラーゲンペプチド混合の影響およびコラーゲンペプチド水溶液の特性を力学的および熱的特性より検討した。
    【方法】コラーゲンペプチド水溶液の動的粘弾性の周波数依存性、寒天・コラーゲンペプチド混合ゲルの破断特性、示差走査熱量測定を行った。
    【結果】1)コラーゲンペプチドの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、それぞれ2.34×103、7.99×103であり、多分散性指数(Mw/Mn)は3.41であった。 2) コラーゲンペプチド10_から_70w/w%は蒸留水に容易に溶解したが、80w/w%においては泡立ちがみられた。周波数依存性では、測定した周波数範囲内で損失剛性率 G″が貯蔵剛性率G′より高値を示したことより、いずれの濃度(60,70,80%)および温度(5から30℃)の試料のコラーゲンペプチド水溶液においても固体の特性より液体の特性が強く、ゲル形成能力を示さないことが示唆された。3)寒天・コラーゲンペプチド混合ゲルの破断歪はコラーゲンペプチド混合でわずかに増加し、約15%を示した。破断応力・破断エネルギーは、コラーゲンペプチドがある濃度まで増加し、それから減少した。ショ糖添加寒天・コラーゲンペプチド混合ゲルではコラーゲンペプチド15%混合で最大を示し、ショ糖無添加寒天・コラーゲンペプチド混合ゲルでは20%混合が最大を示した。4) 寒天単独水分散液は昇温DSC測定により、吸熱ピークがみられた。コラーゲンペプチド単独水溶液は、測定温度範囲内(5℃から100℃)で吸熱・発熱ピークを示さなかった。
  • 福田 靖子, 小関 成樹, 山本 和貴
    セッションID: 2E-p8
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー

    (目的)調理や食品加工への高圧利用は1987年に林により提唱され、殺菌のみならず、食材のタンパク質やデンプンの物性改質、酵素反応・発酵制御等への利用が試みられている。ゴマは機能性成分として遊離型や結合型リグナン類を約1%含み、LDL酸化抑制、大腸癌抑制などの機能が明らかにされている。本研究ではゴマの機能性をさらに高めることを目的に、ラジカル捕捉能におよぼす高圧処理の影響を検討した。
    (方法)試料ゴマは高リグナン改良種「ごまぞう」およびその発芽体(発芽条件:30℃,48hr)を400MPaで10min処理し、さらに各試料とも3種の温度条件(4℃,25℃,37℃)で24hr保存後に凍結乾燥した。ラジカル捕捉能はDPPH法、高圧処理による成分量変化はHPLC(逆相系カラム;H2O-MeOH系;検出280nm)で測定
    (結果)高圧処理により、ごまぞうのいずれもコントロール(未処理・凍結)に比べ、HPLCチャートの高極性域に3本のシャープなピークが認められた。これら高極性成分量ピーク面積は 37 ℃,24hrの保存により発芽ごまぞうで1.3倍に増大した。DPPH捕捉能は発芽ごまぞうで有意に高まった。これら成分変化やラジカル捕捉能変化は酵素活性化等に起因するもの推定され、本研究によりゴマの高圧処理による新食材開発の可能性が示唆された。
ポスター発表
  • 岸本 律子, 長谷川 悦子, 合田 清, 尼子 克己, 中嶋 加代子
    セッションID: P-1
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】紫黒米「むらさきの舞」は兵庫県立農業水産技術総合センター酒米試験地で育成された(1999)ウルチ品種の有色素米であり、種皮およびヌカ層に大量に含まれるアントシアニンは抗酸化性を有し、視力改善や老化防止などの生理的機能性成分として注目されている。紫黒米の食品機能性を有効に利用するためには玄米、またはヌカ層を残して搗精したものを調理することが重要である。食酢を加えると軟らかく、粘りのある米飯が得られることが知られている。アントシアニンはpHによって呈する色が変化する。本研究は「むらさきの舞」の玄米および搗精度の異なる精白米に有機酸を添加して、米粒に及ぼす物性および色の変化を検討し、適正な「むらさきの舞」の炊飯方法を確立することを目的とする。
    【方法】「むらさきの舞」および「ヒノヒカリ」(白色米ウルチ品種)の2品種の玄米を生産者から収穫直後に入手した。玄米は家庭用小型搗精機により搗精した。「むらさきの舞」玄米は10℃、24時間浸漬後、精白米はそのまま洗米し、「ヒノヒカリ」精白米に混合し、米重量の1.5倍量の、水、0.2M酢酸液またはその他数種類の有機酸を加え、30分放置後タイガー炊飯器(JAT-A550)を用いて炊飯した。炊飯に用いた液のpHを測定した。米粒の色は測色色差計(日本電色工業 ZE-2000)により、物性はクリープメーター(山電RE2-3305)により破断強度解析とテクスチャー解析を行った。混合飯の水分含量を赤外線水分計(ケットFD240)で測定した。
    【結果】「むらさきの舞」混合飯の色は有機酸添加により鮮やかな濃い赤紫色に変化したが水分含量には大きな差はなかった。混合飯の米粒の破断強度は0.2M酢酸添加により低下した。米の搗精度および有機酸の種類と飯の色および物性の関連を考察する。
  • 治部 祐里, 寺本 あい, 安川 景子, 佐々木 敦子, 渕上 倫子
    セッションID: P-2
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】玄米は果皮、種皮、糊粉層が残っているため、吸水率が悪く、飯は硬くボソボソ感があり、食味がよくない。そこで本研究では、米の品種や炊飯器具、炊飯時の加水量を変えて玄米を炊飯し、炊飯後の飯の物性測定、官能評価を行った。それらを比較して、玄米をおいしく炊く条件を検討した。
    【方法】岡山県産「ひのひかり」と福島県産「ミルキークイーン」を使用した。吸水率、炊飯中の温度測定、生米・飯の水分含量、米粒・飯粒のサイズ測定(長さ:幅)、生米・米飯の色を測定した。炊飯後の飯を用いてクリープメータ(山電製)でテクスチャー解析を行った。また、米飯の官能評価を行った。すなわち、1 炊飯器具と米の品種の違い 2 炊飯器具と加水量の違いを5点評価法で52から53人のパネラーで評価した。
    【結果】炊飯時の加水量を多くすると、炊きあがった飯は軟らかくなり、玄米特有のかたさ、ボソボソ感を軽減することができた。しかし、多くしすぎると水っぽくなる、米のもつ旨味が感じられなくなるなど、米のおいしさを損ねることがわかった。炊飯器具については、圧力鍋で炊飯すると一番粘りのあるやわらかい飯になり、土鍋で炊飯した飯はややかたく水分の少ない炊きあがりになった。真空保温調理器(シャトルシェフ)を用いての炊飯は省エネルギーで炊飯できるという利点があるが、おいしさの面ではやや劣っていた。電気炊飯器には玄米炊きコースがあり、官能評価の結果も高かったことから、玄米飯は電気炊飯器でも十分においしく炊飯できることがわかった。また、ミルキークイーンは低アミロース米のため、ひのひかりに比べてやわらかく、粘りが多く、圧力鍋で炊くと2時間室温放置後も食味が下がりにくかった。
  • 寺本 あい, 治部 祐里, 安川 景子, 佐々木 敦子, 渕上 倫子
    セッションID: P-3
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】玄米は果皮、種皮、糊粉層が残っているため、吸水率が悪く、飯は硬くボソボソ感があり、食味がよくない。そこで本研究では、米の品種や炊飯器具、炊飯時の加水量を変えて玄米を炊飯し、炊飯後の組織観察を行い、炊飯方法が玄米の組織に及ぼす影響について比較検討した。
    【方法】本研究には岡山県産「ひのひかり」と福島県産「ミルキークイーン」を使用した。浸漬前後の米と、炊飯後の飯の組織構造をクライオ走査電子顕微鏡(日立S-4500)で観察した。すなわち、玄米の背部、腹部、側部、中心部の組織を25倍、100倍、200倍、400倍、1,000倍、10,000倍の観察を行なった。
    【結果】果皮、種皮、糊粉層、デンプン貯蔵細胞は浸漬すると、より明瞭に観察された。炊飯後、デンプン貯蔵細胞の境界が観察され、境界はミルキークイーンよりひのひかりの方が明瞭であった。また、炊飯器具の違いでは圧力鍋で炊飯した飯のみ境界が分かりにくかった。ミルキークイーンや圧力鍋での炊飯では、デンプンが膨潤し、糊状になったため境界が分かりにくかったと考えられる。反対にひのひかりでは、ミルキークイーンに比べて米粒の中心部まで水が侵入しにくく、デンプンの膨潤、糊化が十分ではなかったために境界が炊飯後でも明瞭であったと考えられる。さらに、炊飯後の小孔は、ひのひかりに比べてミルキークイーンで多かった。炊飯器具別では圧力鍋が最も多かった。小孔は水分の痕跡と思われるため、小孔の多く観察された飯ほど飯中に水が多いことが示唆される。加水量を1.9倍にして炊飯した場合、表層部だけでなく、かなり内部まで小孔ができており、内部まで水分の多い飯になっていることが示唆された。
  • 貝沼 やす子, 今井 明菜
    セッションID: P-4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 程良い渋みを伴った味と茶特有の緑色を生かした茶飯を調製するに当たっての、茶の浸出条件を明確にすることを試みた。本研究においては茶の使用量、浸出時間、浸出温度の異なる茶浸出液の状態が茶飯の色、物性、味に及ぼす影響を検討した。
    [方法] 水だし粉末緑茶を試料とし、茶の使用量1,2,3%、浸出時間4,18,24,48時間、浸出温度5,20℃の各条件で浸出した液を調製し、各茶浸出液の粘度、濁度、L*・a*・b*値、カテキン類、総ポリフェノール量などを測定した。各茶浸出液に30分浸漬後炊飯して調製した茶飯については、L*・a*・b*値、破断強度ならびにテクスチャー測定を行い、官能検査による味、香り、テクスチャーなどの評価を行った。
    [結果] 茶浸出液の粘度、濁度は茶の濃度が高くなるほど大きくなる傾向を示した。浸出時間による差異は濁度にのみ見られ、特に3%濃度では浸出時間が長くなるほど濁りは強くなった。緑色度は20℃より5℃で浸出した方が茶浸出液、茶飯ともに強く、茶の濃度や浸出時間に関わらず、安定した緑色を保つことが示された。茶浸出液中のカテキン類、カフェイン、総ポリフェノールは浸出4時間までにはいずれの条件においても溶出が完了しており、その溶出量は20℃の浸出液に多く測定された。官能検査で渋みが強いと評価された茶飯では、使用した茶浸出液中にEGCg、ECgが多く溶出しており、カテキン類、カフェイン、総ポリフェノールの溶出量も多くなった。これらの成分の溶出が多いと飯粒表面の粘りは低下し、飯粒表面の付着性と茶浸出液の成分分析結果には有意に負の相関関係がみられた。
  • 山本 寿, 粟飯原 菜美, 伊庭 なつき, 西嶋 三香子
    セッションID: P-5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    加水温度,ヤマイモ粉の配合割合,ヒエ粉/タピオカ粉の重量比,茹で時間を変動させて,ヒエ粉,タピオカ粉,ヤマイモ粉の混合麺(ヒエ混合麺)を調製し,その応力‐ひずみ特性を小麦麺と比較した.加水温度が70℃のときに全ての応力‐ひずみ特性値が最大になった.ヤマイモ粉の割合の増加に伴って,ヒエ混合麺の初期弾性率は線形に増大し,破断応力は線形に減少した.タピオカ粉に対するヒエ粉の割合が増えると,初期弾性率はやや低下し,破断応力や破断エネルギーは大きく線形に減少した.加水温度70℃,ヤマイモ粉の配合割合20%,ヒエ粉/タピオカ粉の重量比 5/5,茹で時間10minという条件で調製されたヒエ混合麺の全応力‐ひずみ特性値は小麦麺との間に有意差を示さなかった.このヒエ混合麺と小麦麺を試料として7段階評点法による官能評価を行った.粘弾性,なめらかさ,食味では有意差は認められなかったが,色と外観においては小麦麺が,かたさではヒエ混合麺がそれぞれ有意に高く評価された.
  • 平山 久美, 井坂 尚美, 佐藤 友美, 渡辺 敦子
    セッションID: P-6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】茨城県北部の大子町では、こんにゃくを凍結乾燥させた「凍みこんにゃく」が作られている。平成16年度日本調理科学会で発表したように、その製造工程に高濃度の石灰液に浸漬する工程があり、SEMの画像でカルシウム結晶が付着している様子が観察された。そこで、「凍みこんにゃく」の商品化の段階で、周囲を切り落としたものや、曲がったり欠けたりして商品にならないものを粉砕して食パンを調製し、利用の拡大を図ることを目的に検討をはじめた。本研究では、凍みこんにゃくを添加した食パンに関して、カルシウム量の測定と、嗜好性について検討を行った。
    【方法】添加する凍みこんにゃくは小麦粉の5%とし、水で戻したのちに水分を十分に絞ってから粉砕し、粉に混ぜ合わせて食パンを調製した。食パンのカルシウムの定量は、原子吸光法で測定した。嗜好性については、シェッフェの一対比較法により評価した。
    【結果】凍みこんにゃくを添加した食パンと添加しない食パンを調製した。膨化に関しては、どちらも同じ程度であった。こんにゃくの10倍のカルシウムを含む凍みこんにゃくを添加した食パンのカルシウム量の方が多くなった。また、嗜好性については、添加しない食パンと凍みこんにゃくを添加した食パンを比較した結果、しっとりしていて、好ましいと判断された。以上のことから、凍みこんにゃくを添加した食パンが食用に適していることが明らかとなった。
  • 長澤 幸一, 濱田 悟旨, 武田 寛, 石川 千春
    セッションID: P-7
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    <目的> 我々はこれまでにメイラード反応によりグリアジンに糖を修飾させたグリアジン-糖複合体を創製してきた。修飾糖としてはグルコース、マルトース、ラクトースを用い、いずれの修飾糖においてもグリアジンの溶解性、起泡性が向上し、これらの添加により優れた製パン性向上効果が認められた。その製パン性の向上においては、糖の修飾の影響および加熱によるグリアジンの微細な構造の変化が関与するものと考え、グリアジンのみを加熱処理したサンプルの添加による製パン性の改変について検討することを目的とした。
    <方法> グリアジン3.75から8.75gを蒸留水に分散し、60から120℃にて加熱処理を行った。グリアジン加熱処理物は製パン材料に供し、焼成は日立ホームベーカリーHB-3で行った。焼成後のパンについては官能検査、物性測定(山電 TPU-2)により評価した。
    <結果>60から80℃のグリアジン加熱処理物の添加により未処理グリアジンよりも優れた製パン性向上効果が認められた。高温で処理した場合は製パン性の向上は認められなかったため、加熱によるグリアジンの変性を抑制した条件で処理することで製パン性向上効果がもたらされると考えられた。小麦粉の種類では強力粉にグリアジン加熱処理物を添加した場合は製パン性向上が認められたが、国産小麦のホクシンあるいは米粉を含む条件では製パン性が劣る結果となった。
  • 福本 由希, 斉藤 まゆ美, 大森 正司, 飯渕 貞明
    セッションID: P-8
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    デンプンの糊化,老化の過程を以下のような数式モデルで表現することについては2004年度の本学会で報告した.
    糊化:β=β0{ 1/(1+k1/ k2) +[1-1/(1+k1/ k2)]exp[-k2 (1+k1/ k2)t]}
    老化:β=α0{ 1-exp[-k2 (1+k1/k2)t]}/ (1+k1/ k2)
    βは時刻tにおけるβデンプンの存在量.β0,α0は糊化と老化のt=0において糊化,老化可能なβデンプン,αデンプンの存在量.k1,k2は糊化,老化の速度定数である.kjをアレニウス型として,活性化エネルギー,頻度因子を適当に仮定すれば,さまざまな温度におけるβデンプンの減少(糊化)と増加(老化)をシミュレートできる.2%バレイショデンプンを115℃で20分間加熱してα化させ,1-50℃に保存し,350_から_1100nmのスペクトル測定を経時的に行い,965nmにおける2次微分値を時間に対してプロットすると老化のシミュレートと同じ形の曲線が得られた.965nmは水の吸収波長であるので,この変化が老化に伴う水分子の近赤外吸収の変化を反映しているものと推定できる.ついで,糊化したデンプン含有食品(無菌米飯,もち,食パン,ゆでうどん,干しそば,干しうどん)を4℃に保ち,同様の結果が得えられるかどうかを検討したところ,2%バレイショデンプンで得られた結果とほぼ同様の曲線が得られた.この曲線から老化速度定数k2とα0を推定した.試料数が少ないため即断はできないが,4℃におけるデンプン含有食品の老化速度定数k2は食品の種類によらずほぼ一定であり,老化可能なαデンプンの初期濃度α0は食品によって異なるものと示唆された.
  • 金 娟廷, 伊藤 美樹, 品川 弘子, 冨吉 靖子, 高橋 智子, 大越 ひろ
    セッションID: P-9
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    [目的]食肉は良質なたんぱく質の供給源でありながら線維が多く、硬くて咀嚼しにくいため高齢者にとって食べにくい食材である。そこで本研究は咀嚼能力が低下した高齢者にとって食べ易い食肉加工品の開発のため、豚ロース肉を用いて、若年者・高齢者をパネルとした咀嚼運動における嚥下開始までの咀嚼試験を行った。
    [方法]豚肉ロース芯部位を用い、脂肪を除き、ミンチした後、マッシュポテト(17%)とデンプン(3%)置換した試料肉MSと、脂肪を除いた豚ロース肉を0.4 mol/lで重曹処理した試料肉Ctと重曹処理後、400 MPaで高圧処理した試料肉Ptの3種類の試料肉を調製した。若年者・高齢者をパネルとした咀嚼時から嚥下開始までの咀嚼回数および咀嚼時間、また、嚥下開始直前の食塊のテクスチャー、食塊の唾液分泌率(%)を検討した。
    [結果]試料肉のテクスチャー特性の硬さは、重曹処理および高圧処理した試料肉CtおよびPtに比べ、ミンチ状の試料肉MSが最も軟らかかった。そこで、咀嚼試験を行ったところ、若年者・高齢者のいずれについても、試料肉CtおよびPtは、ミンチ状の試料肉MSに比べ、咀嚼回数が最も多く、咀嚼時間は長かった。また、どの試料肉でも若年者に比べ高齢者は、咀嚼回数が多く、咀嚼時間は長く、逆に、唾液分泌率は、高齢者の方が少なかった。食塊の硬さと咀嚼回数の関係をみると、試料肉MSは若年者に比べ、高齢者の方が咀嚼回数は多く、食塊も軟らかかったが、試料肉CtおよびPtは若年者比べ、高齢者の方が咀嚼回数は多く、食塊はかたくなっていた。
  • 佐藤 靖子, 鈴木 惇
    セッションID: P-10
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    目的:廃鶏の肉は、ブロイラーよりも飼育期間が長いため、結合組織が発達して硬くしまっている。この硬い肉を軟化する方法を見出すために、酢で前処理した肉では、結合組織の構造が変化し、キウイで前処理した肉では、筋線維の構造が崩壊した。このように酢およびキウィで前処理して加熱した肉の組織構造の変化を食品組織学的に調べた。
    方法:廃鶏のムネ肉を1cm×1.5cm厚さ0.5cmの大きさに採取した。材料は、食酢およびキウイに5時間漬けて前処理した肉および未処理の肉をそれぞれ15分間および30分間茹でた。加熱後は、10%ホルマリン液で固定し、パラフィンに包埋して薄切した。切片はピクロシリウス(PS)およびAzanで染色した。
    結果: 酢に漬けた肉は、筋上膜の膠原線維が部分的に分離し、筋内膜は、一部が消失した。15分間加熱した筋上膜の膠原線維は接合したが、30分間の加熱では、部分的に解離した。筋周膜の膠原線維は、15分間の加熱によって部分的に接合および溶解が生じ、筋内膜の多くは消失して筋線維同士の融合がみられた。この組織構造の変化は、30分間加熱した肉でも同様であった。 キウィに漬けた肉は、筋上膜および筋周膜の膠原線維が分離し、筋線維の一部は崩壊した。15分間および30分間加熱した肉の筋上膜は剥離していた。 筋周膜および筋内膜の一部は溶解した。筋線維は、部分的な崩壊が生じ、筋線維間に可溶性タンパク質が溶出した。未処理の肉の筋上膜の膠原線維は、15分間の加熱では接合していたが、30分間の加熱では部分的な解離が生じた。
  • 渕上 倫子, 寺本 あい, 治部 祐里, 安川 景子, 佐々木 敦子
    セッションID: P-11
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】岡山県内でよく食されている14種類の魚介類が、全国、中国・四国地方でどのように食されているかの比較調査を行った。
    【方法】日本調理科学会特別研究で行われた全国データをもとに、全国(3431世帯)、中国・四国(931世帯)および岡山県(380世帯)の三つに分類し集計した。岡山県の特徴をより明確に捉えるため、全国、中国・四国のデータには岡山県のデータを含めなかった。
    【結果】サワラ料理の摂食状況(料理数/世帯数)は全国45%、中四60%、岡山157%と岡山でよく食べられていることがわかった。全国的には焼き物として食すことが多い(約70%)が岡山では38%と少なく、生物(22%)、煮物(20%)が多かった。以前サワラは瀬戸内海沿岸で多く獲れ、新鮮なものがすぐに手に入る環境にあったためと考えられる。シタビラメ(ゲタ)も岡山でよく食べられ(全国16%、中四22%、岡山74%)、全国的にはムニエルなどの焼き物が多いのに対し、岡山では煮物が多かった。ママカリは全国的には生物(酢漬け)が多いが、岡山では焼き物特に郷土料理の素焼きの三杯酢が多かった。イカナゴの摂食状況は全国23%、中四34%、岡山72%で、全国的に煮物(佃煮)が多いが、岡山では茹で物(酢の物)も多かった。イイダコの摂食状況は全国5%、中四14%、岡山58%で、全国的にはおでんの具にしているのに対し、岡山では煮付けが大半であった。アミの摂食状況は全国6%、中四3%、岡山58%で、全国的には佃煮が多いが、岡山では煮物が多く郷土料理のアミ大根が作られていると考えられる。シャコの摂食状況は全国17%、中四26%、岡山57%で、茹で物が岡山(83%)で特に多かった。
  • 安川 景子, 治部 祐里, 寺本 あい, 佐々木 敦子, 渕上 倫子
    セッションID: P-12
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】岡山県の南部と北部での魚介類摂取についての食習慣の違いについて調べるため、地域差が予想される魚種について、比較分析を行った。
    【方法】日本調理科学会特別研究で行われた全国データをもとに、岡山県(380世帯)を南部(315世帯)と北部(65世帯)に分類して集計を行った。
    【結果】サワラ料理の摂食状況(料理数/世帯数)は南部165%、北部108%で、南部でよく食べられており、生物(南23%、北19%)、煮物(南19%、北9%)、飯物(南14%、北6%)の割合が南部で多かった。南部では刺身や寿司のネタとして生で食べる割合が多く、北部では焼いたり揚げたり火を通す調理法が多かった。サバは北部でよく食べられ(南169%、北220%)、飯物(南7%、北12%)が北部で多かった。南部ではばら寿司(ちらし寿司)が多く食べられているのに対し(南50%、北31%)、北部ではサバ寿司の割合が多かった(南5%、北18%)。ばら寿司は、瀬戸内海で獲れる新鮮な海の幸(アナゴ26%、エビ25%、サワラ19%、モガイ13%等)を使って作る岡山県の代表的な郷土料理であり、サバ寿司は、山陰の日本海側で獲れたサバ(塩サバ)を使った、北部の秋祭りに欠かせない料理であるためと思われる。また、ママカリの摂食状況は南部で40%、北部は20%で、北部では酢漬けで食べることが多かった。瀬戸内海から遠く離れるために保存が効くよう加工処理されたものが多く出回っているのではないかと考えられる。イイダコの摂食状況は南部で64%、北部は8%で、南部でよく食べられていることがわかった。アミ大根の喫食割合も南部で多いことがわかった(南35%、北8%)。
  • -遊離アミノ酸組成および脂肪酸組成-
    石川 雅子, 阿部 優子, 会田 久仁子, 半澤 明子, 石村 由美子, 角野 猛
    セッションID: P-13
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    目的 福島県浜通り地方は太平洋に面し、漁港に水揚げされる魚種は豊富で、その立地に則した様々な調理法がある。先に、本地域の魚の調理について報告したが、今回、それらの調理のうち、サンマ、メヒカリおよびアンコウの調理による遊離アミノ酸組成、脂肪酸組成等について検討したので報告する。
    方法 サンマ、メヒカリおよびアンコウの三種の生の状態と調理によるその変動について検討した。サンマはサンマご飯とサンマポウポウ焼き、メヒカリは唐揚げ、アンコウは煮物とアンコウ鍋である。なお、調理は前回の調査において明らかにされた調理法によって行った。遊離アミノ酸組成はアミノ酸自動分析計(日立製、L-8500)、脂肪酸はガスクロマトグラフィー(日立製、G-3500)によってそれぞれ分析した。
    結果 1.アンコウ:アンコウの身(生)の遊離アミノ酸総量は、223.2mg/100gであり、主な遊離アミノ酸組成はタウリン、グリシン、リジン、グルタミン酸であり、これらで総量の67.5%を占めた。とも和え風の煮物では総量は430.1mg/100gと増加し、鍋料理ではタウリン、グリシンが減少し、グルタミン酸が増加した。また、主な脂肪酸組成はC16:0、C18:1、C22:6であった。料理により、C16:0やC22:6は減少し、C18:2が増加した。2.サンマ:サンマご飯では遊離アミノ酸総量は253.4mg/100mgであり、主な遊離アミノ酸はヒスチジン、グルタミン酸、タウリンであり、これらで総量の50.3%を占めた。サンマご飯の脂肪酸組成はC14:0、C22:1が多く、C18:0が少なかった。ポウポウ焼きは遊離アミノ酸総量が増加し、主な遊離アミノ酸はタウリンとヒスチジンであり、これらで50.5%を占めた。3.メヒカリ:メヒカリの遊離アミノ酸総量は535.6mg/100mgであり、主なものはタウリン、グルタミン酸、アラニン、リジンであった。脂肪酸組成はC18:1が47.0%を占め、特徴的であった。
  • 田中 晴生, 柿澤 有紀, 糸永 麻未, 大迫 一史, 長富 潔, 原 研治
    セッションID: P-14
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】トランスグルタミナーゼ(以下TGase)は蛋白分子間または分子内のポリペプチド鎖中のグルタミン残基とリジン残基を架橋する性質を有し、この特性を利用した酵素製剤が各種蛋白食品に実使用されている。昨年の本大会においてマアジ背肉の塩漬処理時におけるTGase製剤の添加効果について報告したが、今回は塩漬肉を乾燥処理したときの諸特性について各種の検討を行った。
    【方法】マアジ新鮮肉をフィレー状にして、2M NaCl (pH 7.0)溶液中で4℃にて塩漬処理を行った。TGase製剤は、「アクティハ゛」TG-S(100u/g、味の素(株)製)を塩漬時にのみ添加した。塩漬後6時間の試料を30℃において最長24時間冷風乾燥し下記の各種特性を比較検討した。
    【結果】塩漬後の魚肉内層の食塩濃度は外側のそれの60%程度に留まった。乾燥処理肉の水分低下度合いはTGase製剤添加区は明らかに対照より遅かった。また試料を8M尿素-2%SDS-2%メルカフ゜トエタノール混液に溶解後SDS-PAGEに供したところ、乾燥時は対照、TGase製剤添加区ともミオシン重鎖(MHC)が見かけ上減少するが、TGase添加区はさらに多くのMHC多量体の生成を認めた。Mf-Ca-ATPase活性は塩漬・乾燥処理時を問わず時間経過とともに低下するが、塩漬時には対照、TGase添加区間に差は認められないものの、乾燥時にはTGase製剤添加区の方が活性低下の度合いが小さかった。これらの結果よりTGaseは魚肉外側の溶出蛋白に優先的に架橋し、その結果、処理中における内層部分のMf蛋白変性を間接的に抑制すると推定した。
  • 永塚 規衣, 佐藤 久美, 原田 和樹, 安藤 真美, 長尾 慶子
    セッションID: P-15
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々はこれまでに、廃棄物である魚のあら及びうろこの再利用を目的とした“煮こごり”を調製し、水産物コラーゲンの利用と嚥下食への応用を踏まえたゲル状嚥下食品“煮こごり”の調理特性について検討してきた。今回は魚類の未利用部位調製“煮こごり”の抗酸化能に注目し、化学発光法を用いてペルオキシラジカル捕捉能の測定を行った。
    【方法】“煮こごり”材料はまこがれい、鰤及び鰤のあら、鯛のあら及びうろこ、鮭の頭を用いた。厚生労働省規定による高齢者用食品のかたさ基準を満たすゲル強度の“煮こごり”を得ることを目的として、各材料を角切りにし、材料に対して適量の水を加え、蒸発水分を補いながら一定時間加熱し、ろ過して試料を調製した(対照試料)。さらに日本の伝統的な調味料である醤油で調味(10%)した試料も調製し(醤油添加試料)、それらのペルオキシラジカル捕捉能の測定を行った。抗酸化能の評価には、発生した上記ラジカルの半分量を除去する試料濃度を示すIC50値を用いた。
    【結果】いずれの対照試料も高いペルオキシラジカル捕捉能があることが明らかとなった。コラーゲンそのものは活性酸素を防御すると言われているが、今回の実験結果からも、“煮こごり”由来のコラーゲンはペルオキシラジカル捕捉能に大きく寄与していることが推測された。また、発酵調味料である醤油には高い抗酸化能があることが報告されているが、魚類の未利用部位から調製した“煮こごり”においても醤油を添加するとペルオキシラジカル捕捉能が増強されることが明らかとなった。さらに、これら醤油添加試料は魚臭のマスキング効果が大きく、官能検査において総合的に好まれる結果が得られた。
  • 久木野 睦子
    セッションID: P-16
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    目的)乾物の利用法が多岐にわたる中国料理においては、かん水を用いて戻し処理したスルメがイカの代用品として利用されている。戻し処理したスルメは生鮮イカとは異なる物性を持つことが報告されているが、本研究では、異なる種類のスルメについて、戻し処理後のスルメの加熱料理への利用法について検討した。
    方法)市販の剣先スルメ、松白スルメおよび中国にて購入したスルメを予め水浸漬した後、pH11のアルカリ液中に浸漬し、さらにアルカリ臭を抜くために水浸漬して戻し処理を行った。この戻し処理にともなう重量、厚さの変化および物性の変化を調べ光顕観察を行った。また、戻したスルメをゆで加熱し、加熱にともなう変化を同様に調べた。さらに、官能検査を行い、料理への利用法について検討した。
    結果)戻し処理にともなう各スルメの重量変化は中国のスルメにおいて膨潤度が小さく、レオメーターによる物性測定では破断エネルギーが大きかった。戻したスルメの外観は、松白スルメや中国スルメではうす茶色の透明感のある外観となったが、剣先スルメは生鮮イカのような真っ白の外観になった。これらをゆで加熱し、官能検査をしたところ、生鮮イカを調理したものより軟らかいと評価されたが、味の点では好まれなかった。アルカリ浸漬時間およびその前後の水浸漬時間が長いほどスルメは軟らかく戻るが、調理後の嗜好性を考慮するとアルカリ浸漬時間はそれほど長くは必要ないと考えられた。中国における戻しスルメの利用実態についても調査中である。
  • 山崎 歌織, 外西 壽鶴子, 御木 英昌
    セッションID: P-17
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】味噌漬カツオ肉の美味しさについて保持可能な期間において化学的・組織学的に検討した結果、味噌漬10日間のカツオ肉が最も美味しい事が分かり、味噌を外して7日間凍結保存できることを既に報告している。今回、旨味に関係のある遊離アミノ酸は味噌漬カツオ肉および味噌漬した味噌で変化があるか調べたところ、両者共遊離アミノ酸の変動が認められた。この結果は味噌漬の味噌中タンパク質の分解によるものか、もしくはカツオ肉タンパク質の分解によるのかSDS電気泳動法にて検討することにした。
    【方法】凍結カツオ肉を解凍後切り身(20±1g)にし、同量の麦味噌で覆いラップで包み5℃で冷蔵して味噌漬かつお肉試料および凍結保存して凍結味噌漬かつお肉試料とした。それぞれの試料を3から20日保存後、試料の肉片をホモジナイズしSDS電気泳動法にて味噌漬の味噌および味噌漬カツオ肉のタンパク質の分解を調べた。
    【結果】味噌漬に使用した味噌中遊離アミノ酸はほとんどのアミノ酸が一旦は減少するもののその後は増加傾向がみられた。一方、味噌漬カツオ肉中の遊離アミノ酸はほとんどのアミノ酸で生カツオ肉に比較して増加が認められた。特にグルタミン酸は味噌漬後カツオ肉中に急速に増加した。このアミノ酸の変動を解析するために、味噌漬した味噌および味噌漬カツオ肉のタンパク質の分解過程を電気泳動像で確認したところ、味噌漬10日のカツオ肉の高分子のタンパク質が分解しているようであった。味噌漬によりカツオ肉および味噌漬後凍結カツオ肉は両者とも軟化することがテクスチャー測定により判明している。現在さらに、味噌漬した味噌および味噌漬カツオ肉のプロテアーゼ活性の変動についても検討中である。
  • 堀江 秀樹, 山下 謙一郎
    セッションID: P-18
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
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    【目的】ユリ科野菜については、アリシンなど含硫化合物について消費者の機能性への期待が高まっている。アリシンや他のニオイ成分については、alk(en)yl-cysteine sulfoxide (I)が植物組織の破壊に伴い、酵素作用によって生成する。各種野菜のニオイや機能性を検討するには、比較的安定に存在する(I)を定量するのが簡便である。そこで、(I)を誘導体化せず簡易に分析できる手法の開発に取り組んだ。
    【方法】キャピラリー電気泳動装置3D-CE(アジレント)を用いた。キャピラリー管は内径0.050mm×100cm、温度25℃とし、電気泳動液には20mM安息香酸ナトリウム、0.5mM テトラブチルトリメチルアンモニウムブロミドを水酸化ナトリウムでpH12.0に合わせたものを用いた。印加電圧は-30kV、分析時間は10分とした。野菜試料については、蒸気あるいは沸騰水等でブランチングした後、破砕抽出した。
    【結果】ニラを茹でた後水抽出し分析した場合には、メチイン、アリインに相当するピークが観察されたが、生のまま破砕し抽出した場合にはこれらのピークが消失しピルビン酸のピークが観察された。本法は(I)の分析に有効であり、ニオイ成分と比べて簡便で再現性よく定量できるため、調理に伴うニオイや機能性成分変化を評価するのにも有効と考えられる。ニラをみじん切りにして20分室温放置すると、5cmに切断して放置した場合に比べて、メチイン及びアリイン含量の低下が認められた。またニラの(I)として、アリインとして記載される場合が多いが、測定結果によれば、メチインが主要成分であった。本法は,キャベツ中のメチインやニンニク中のアリイン,メチインの定量にも適用できた。
  • 青山 佐喜子, 片山 実圭子, 清原 実穂, 山本 由喜子
    セッションID: P-19
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】食品の抗酸化活性は、食品の品質劣化の防御ばかりでなく、生体の各種疾患の予防・治療に対しても有効性が期待されている。ネギ属野菜類についても、その機能性のひとつに抗酸化性があり、特にニンニクやタマネギについては多くの研究報告がある。一方、ネギ類は多くの種類が食用とされているが、その抗酸化活性についての研究は少ない。そこで本研究では、青ネギ(葉ネギ)、白ネギ(根深ネギ)と、白ネギと同様に根深ネギの一種である赤ネギについて、抗酸化活性と抗酸化成分を測定して比較した。
    【方法】抗酸化活性の測定には、ラジカル消去能を測定するTEAC法(Trolox equivalent antioxidant capacity)と、還元力を測定するFRAP法(Ferric reducing antioxidant power)を用いた。抗酸化成分はフラボノイド、アスコルビン酸、アントシアニンを測定した。フラボノイドとアスコルビン酸はHPLCにより、アントシアニンは比色法により測定した。
    【結果】TEAC、FRAPはともに、3種類のネギ類のうち赤ネギが最も高かった。青ネギと白ネギの抗酸化活性を比べると青ネギのほうが高く、青ネギのTEAC、FRAPは白ネギのそれぞれ約4倍、2倍であった。抗酸化成分のうちフラボノイド類は3種類のネギ類いずれもからケルセチンとケンフェロールが認められた。青ネギからはケンフェロールが多く、赤ネギからはケルセチンが多く認められた。総フラボノイド量は青ネギ、白ネギ、赤ネギで約8:1:17の割合で、赤ネギに最も多く、白ネギ中には最も少なかった。また、青ネギにはアスコルビン酸が多く、白ネギの約4倍含まれていた。さらに、赤ネギからはアントシアニンが検出されたが、青ネギ、白ネギからは検出されなかった。
  • 堀坂 宣弘, 見留 正枝
    セッションID: P-20
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    目的
     現在多種類の乾燥ハーブが市販され,料理の風味付けや,ハーブティーとして利用されている.それらの乾燥ハーブのあるものは,緑茶の葉に匹敵する量のビタミンC(V.C)を含み,また,緑茶の葉と同様に,そのV.Cの大部分が還元型V.C(ASA)であることを昨年度の本学会大会で発表した.そこで,本研究では主としてセリ科とシソ科の各種ハーブについて,新鮮なものと乾燥したものの総V.C量とASAの割合を測定し,ASAの割合とアスコルビン酸酸化酵素(AAO)活性との関係を調べることを目的とした.
    方法 V.Cは2,4-ジニトロフェニルヒドラジンと反応させて誘導体化しHPLCで定量した.AAO活性の測定は東野らの差スペクトル法(食品工業学会誌,31,1984)で行った.
    結果 乾燥ハーブと新鮮ハーブのどちらにおいても,総V.Cに占めるASAの割合は90%程度のものから0%のものまでハーブの種類により差が大きかった.また,一部の試料を除き,セリ科のものではASAの割合が高く,シソ科のもでは素の割合が低い傾向にあった. 抽出の際の酸化防止剤の使用や加熱操作の効果から,AAOによる酸化が考えられたが,測定した範囲内では,試料のホモジネートのAAO活性とASAの割合との相関は明確ではなかった.この点に関し,AAO活性測定の際の共存物質の影響など,AAO活性の測定方法についても検討し報告する予定である.
  • 鈴木 啓子, 森 眞弓, 荻野 亜紀子, 岸田 枝理子, 野村 知代
    セッションID: P-21
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    目的 ピーマン果実には独特な苦味があり、子どもたちの嫌いな野菜の上位にあげられる。本研究では、ピーマンの嫌いな子どもたちが、おいしく食べることの出来るピーマン入りおやつを作ることを目的とした。その前段階としてピーマン果実の加熱による成分変化についても調べ検討した。
    方法 緑と赤のピーマンを用いた。ピーマンは、可食部をオーブンで加熱し熱いうちに皮を剥いたものと剥かないものそれぞれをミキサーにかけ試料とした。試料を細砕し、80%エタノール溶液で抽出、エタノール留去後アンバーライトIRA-96SBカラムに通し溶出液を減圧濃縮して一定容、糖測定試料とした。アンバーライトIRA-96SBカラムに吸着した有機酸は、0.1N-NaOHで溶出させDowex50-x8カラムに通し減圧濃縮して一定容、有機酸測定試料とした。HPLCで定量を行った。ミキサーにかけてピューレにしたものを利用したクッキーなどを考案し、幼稚園児を対象にアンケート調査を行った。
    結果 ピーマンに含まれている糖は、グルコース、フルクトース、スクロースであった。オーブン加熱による糖の変化は、緑ピーマンではほとんど見られず、赤ピーマンでは、増加傾向が見られた。有機酸は、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、キナ酸が含まれていた。加熱による有機酸の変化は、赤ピーマンでみられ、クエン酸が減少し、リンゴ酸が増加した。皮を剥いたことでの糖と有機酸含量の差は見られなかった。幼稚園児は、緑ピーマンより赤ピーマンを嫌う傾向が見られた。加熱により糖が増加し、クエン酸が減少した赤ピーマンを利用したクッキーはピーマン嫌いの幼稚園児に特に好まれた。
  • 伊藤 正江, 角田 香澄, 河合 清
    セッションID: P-22
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】高齢化社会における火災のリスクの少ない安心な生活、都市住宅の高層化や気密化、及び環境に対する人々の関心などから、電磁調理器は、現在普及し続ける傾向にある。そこで、本研究では、ゆで調理時のビタミンCの損失量を電磁調理器とガス調理器にて比較を行った。また、アンケート形式によるゆで調理に関する意識調査も同時に行った。
    【方法】1.ゆで調理時の調理特性については、チトクロムCを用いてビタミンC量をクウシンサイとほうれん草を試料とし、電磁調理器とガス調理器で比較した。2.ゆで調理に関する電磁調理器とガス調理器を比較した意識調査を、中京女子大学の学生68名を対象にアンケート形式により行った。
    【結果・考察】1.ゆで調理時のビタミンC損失量の測定結果では、電磁調理器がガス調理器に比べて損失が少なかった。しかし、供試した試料および鍋の種類が少ないことから、現時点では、最も損失量の少ない調理器や鍋を断定することはできなかった。2.ゆで調理に関する電磁調理器とガス調理器を比較した意識調査の結果では、調理時間の短縮(火力の強さにより沸騰時間の短縮)や、ふきこぼれ時の掃除のしやすさなどが長所としてあげられた。また、機能の進化により、より使いやすくなった点などが示唆される結果となった。。電磁調理器にもガス調理器にもそれぞれ欠点があるので優劣をつけることは難しいと思われる。調理器は自分にあったものを選択し、それらを駆使することで、調理の幅が広がると考えられる。ゆで調理特性については、今後試料を増やし、追実験研究をするとともに、その他の栄養成分への影響についても検討をする必要があると思われる。
  • 鍋の種類による影響
    中村 恵子, 四谷 美和子, 水野 千恵, 澤田 崇子, 石渡 仁子, 長野 宏子, 木下 枝穂, 津田 淑江, 冨岡 和子, 岩坂 由位子 ...
    セッションID: P-23
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】電磁調理器(IH:100V、200V)とガスこんろの比較実験を広く各地で行い、それぞれの加熱方法の特徴を明らかにし、調理教育及び一般消費者に資する資料作成を目的として共同研究を行ってきた。昨年度の標準の鍋・フライパンを使用した実験に加え、材質や厚さが異なるものを使用し、受熱器具の影響を調べた。
    【方法】各地で所有のIHヒータ(14種)およびガスこんろ(12種)を使用した。標準鍋としてステンレス直径22cm両手鍋と、アルミニウムとステンレスの2層・テフロンコーティング直径24cmフライパンを、比較対照として鍋底厚さの異なる多層鍋および鉄製のフライパンを用いた。水の昇温速度(熱電対)、鍋底の温度分布(放射温度計)、模擬ホットケーキの焼き色(写真撮影)を比較検討した。
    【結果】昇温速度を比較すると、ガスこんろでは鍋の材質により昇温速度が異なる傾向が見られた。ホットケーキの焼き色のつき方については、鍋底の温度分布の影響を受け、薄手のフライパンではガスこんろの炎の形、IHヒータではリング状に焼きムラが出るが、鍋の厚さや材質を変えることによって焼きムラを軽減することができることが確認された。
  • 今井 悦子, 河野 彩子, 塚本 香織, 渋川 祥子
    セッションID: P-24
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 加熱原理の異なる様々な調理機器がある。その違いが加熱後の食物の性状に及ぼす影響および利便性を,豚肉の場合について検討した。
    [方法] 材料は豚内もも肉とし,3×5×1cmに切断したものを5枚用いた。加熱条件はスチームコンベクションオーブン(以下スチコン)およびコンベクションオーブン(以下オーブン)(両者130,180,250℃,予熱有),ガス(フライパン使用,弱火1,中火2,強火4L/min,予熱有;表面温度180℃),電子レンジ(500,700W)とした。各条件で最低温度部位75℃まで豚肉を加熱し,歩留まりおよび焼き色の測定と破断試験を行った。
    [結果] スチコン,ガスおよび電子レンジの75℃到達時間は,加熱条件間で有意差がなく,それぞれ167,248および85秒であった。オーブンは他の機種と異なり最低温度部位が上部表面であり,75℃到達時間は1,363(130℃),678(180℃),280(250℃)秒であった。歩留まりは61-80%の範囲にあり,スチコンが大きい傾向があったが,全11の試料間で有意な差はなかった。破断試験では単調増加な曲線が得られたので,破断歪み40および80%の点の応力を求めたところ,両者ともに全11の試料間で有意差がなかった。焼き色は,色の濃い部分が多い順にガス,オーブン,電子レンジ,スチコンであった。算出した消費エネルギーは,スチコン約1,200-2,000,オーブン500-570,ガス170-260,電子レンジ14および22kcalであった。以上より,加熱時間と消費エネルギーの観点からは電子レンジが圧倒的に優位であったが,焼きむらが激しく実用的でないこと,加熱時間からはスチコン,消費エネルギーと焼き色の観点からはガスが好ましいと考えられた。
  • 堀江 かほり, 飯田 文子, 浅野 雅子, 大越 ひろ
    セッションID: P-25
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    目的近年の健康志向もあり、ヘルシーな赤身肉のおいしさにも注目が集まっている。そこで、赤身の牛肉として国産ホルスタインを用い、肉調理にしばしば利用されるショウガ(以下Gi)及びニンニク(以下Ga)で処理したステーキのおいしさについて、官能評価を軸に総合的に考察した。
    方法国産ホルスタイン牛肉ステーキ(約2cm厚)に肉重量の3,5,10,20%の搾り汁を各々1時間作用させ、220℃のホットプレートで内部温度が60℃になるまで焼成した。2×2×2(cm3)に成形したものを官能評価および、破断強度、うま味成分分析、電子顕微鏡観察等に用いた。官能評価は外観、テクスチャー、風味、味などの11項目について、訓練パネルによるSD法客観的評価を行った。肉表面の色はハンディー色差計を用いて測定した。破断強度解析は山電製レオナーを用い、カッター刃による定速圧縮破断を行った。うま味成分としてHPLCによるIMP及びアミノ酸分析を行い、電子顕微鏡は前処理を行い、走査型電子顕微鏡により観察した。水分及びpH測定も行い、これら機器測定結果を官能評価結果と合わせて考察した。
    結果官能評価結果より、Ga処理肉は無処理肉よりもやわらかい傾向が見られ、多汁性、牛肉らしい風味、うま味の項目で有意に評価が高かった。一方、Gi処理はやわらかく噛み切りやすいが、牛肉の風味を損ね、水っぽく、うま味の足りない肉と評価された。破断強度解析で得られたみかけの破断応力は官能評価と対応した。IMPは処理間で変化はなく、アミノ酸ではGaで特徴的な変化が観察された。肉色はGaで顕著に変化し、処理間で違った特徴が見られた。
  • 米田 寿子, 泉 智子
    セッションID: P-26
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 高齢者の健康維持には適切な食生活が不可欠である。しかし、高齢に伴い、食事作りが面倒になったり、毎日同じものを食べたり、欠食をしたりと低栄養状態に陥りやすい。一方、手や体の機能低下を生じ、注意力も散漫となり、安全に食事作りが出来にくくなる。そこで、食材の一部に加工食品を取り入れ、加熱器具として電子レンジを利用して、高齢者でも簡単に作れる調理法の検討を行った。
    [方法] 1.「かぼちゃの煮物」「さばの味噌煮」「茶碗蒸し」「ほうれん草の白和え」の4種類を、通常の調理法と電子レンジによる調理法で作り、準備から盛り付けまでの総時間を測定した。 2.2つの調理法による料理について、女子学生11名をパネルとし「外観」「味」「テクスチャー」「総合評価」の項目で、5段階評点法による官能検査を行った。3.73歳男性1名は「かぼちゃの煮物」「さばの味噌煮」の2種類、74歳女性1名は4種類の料理を電子レンジ利用による調理を行った。 調理準備から盛り付け終了までの時間を測定した。 4.男女の高齢者に、聞き取り法により電子レンジ利用の調理法の評価と料理の官能評価を行った。
    [結果] 1.電子レンジ利用の調理法は、通常の調理法より1/2_から_1/3時間に短縮された。 高齢者男性>高齢者女性>女子学生の順で、料理作りの総時間が低下した。 2.2つの調理法による、料理の官能評価は、各項目ともほとんど差は認められなかった。 3.男女の高齢者による調理法の評価は、「調理が簡単であった」「今後も電子レンジを利用して料理を作りたい」と回答した。料理の官能評価は各項目とも高い評価であった。
  • 濱田 陽子, 瀬尾 弘子, 高橋 恭子, 香西 みどり, 畑江 敬子
    セッションID: P-27
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】炊き込み飯は、米に水と調味料と具を加えて炊く。具は生のままあるいは下煮をして米にのせるのが一般的である。加熱により結着してほぐれにくいひき肉などは予め米と混ぜてから炊いた方が均一な状態にしやすいが、芯のある飯になりやすい。そこで本研究ではその原因を調べ、飯と具が均一に混ざった炊き込み飯を調製する条件を検討した。
    【方法】試料として、平成16年新潟県産コシヒカリ、鶏ももひき肉(小売店にて購入)を使用した。炊き込み飯は米重量に対しひき肉50%、しょうゆ・酒各10%、加水比1.5とした。洗米、30分浸水後、肉の加熱の有無(a:生、b:そぼろ状に加熱)、肉の混合方法(c:米とよく混ぜる、d:米の上にのせる)、炊飯器の容量に対する米の容量(e:2/3、f:1/2)、炊飯器の種類(g:マイコン付きジャー炊飯器、h:IHジャー炊飯器、i:自動炊飯器)の異なる7種の飯を調製した。飯の官能評価(-2から+2の5段階評点法)および物性測定(テクスチャーアナライザー)を行った。加熱中、炊飯釜中心部の表面および底面の温度を測定した。
    【結果】官能評価の「総合的な好ましさ」の評点は、生肉を米と混ぜてマイコンジャー炊飯器で炊いた飯が最も低く(-1.7)、加熱肉を米と混ぜてマイコンジャー炊飯器で炊いた飯が最も高かった(+1.5)。この理由は、前者は釜内が60℃に達した後底面の温度上昇が遅れ釜内の温度分布が不均一となることで、芯のある硬く粘りの少ない飯になることがわかった。炊飯する量を1/2に減少させマイコンジャーで炊飯すると、生肉を米と混ぜても温度ムラが小さくなるため評価は向上した。
  • 横溝 佐衣子, 橋本 加代, 谷野 永和
    セッションID: P-28
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 大量調理においては衛生面や作業手順を考慮した献立作成が必須であり、特に主菜の様式や調理方法の選択は重要である。給食管理学実習では主菜のテーマを指定して献立を作成し実習をおこなっているが各主菜に見合った調理方法や食材を選択するためには主菜別の献立内容を検討する必要がある。そこで過去の実習献立について主菜別に調理方法や内容についての検討をおこなった。
    [方法]給食管理学実習で実施した223献立について、主菜のテーマごとに献立形式、献立様式、調理法、食品群、主材料などの項目について分類をおこなった。主菜のテーマは和食の魚、洋食の魚、和食の肉、洋食の肉、中華、卵、大豆、丼、弁当の9種類であるが今回は丼と弁当を除く7種類についての検討をおこなった。また主食、副菜、汁、デザートについても主菜別に同様の項目についての分類をおこなった。SPSSにより集計をおこないクロス集計により比較検討した。また食事摂取基準が策定されたことより栄養成分の再計算をおこないPFC比について比較をした。結果はt検定および分散分析により主菜別の比較をおこなった。
    [結果]主菜では肉、魚料理でいずれも焼く操作がもっとも多く、それらの食材には様式による違いがみられた。副菜においても調理操作や食材の取り合わせに違いがみられた。PFC比を比較するとP比とC比には主菜別の差はみられなかったが、F比では洋食の肉が高い値となり他の献立との間に有意差がみられ、調理方法や食材の選択が重要であることが示唆された。
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