日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
56 巻, 2 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 56 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 56 巻 2 号 p. Cover2-
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 56 巻 2 号 p. App1-
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 但野 利秋, 田中 明
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 77-84
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    高AI耐性を異にする5種作物を供試して,AIによる根の伸長阻害と根先端より2mmの部位におけるAIの集積状態との関係を検討し,以下の結果を得た.1)標準区に対するAI処理区の全根長相対値から判定した根の高AI耐性は,イネ>エンバク>ダイズ,インゲン>オオムギの順であり,地上部の生育もこれとほぼ対応した.2)5種作物を一括して比較した場合,根全体を平均したAI含有率と全根長相対値との間には,関係が全く認められなかった.3)先端より2mmの部位の根横断面におけるAIの集積は,全作物に共通して根表面で最も多く,内部に向かって低下した.表層中央,内皮および中心柱ではオオムギで多く,インゲン,ダイズでそれに次ぎ,エンバク,イネではきわめて少なく,細胞分裂域の根組織内に対するAIの侵入の難易とAIによる根の伸長阻害度とは対応した.4)高AI耐性が弱いオオムギでは,2ppmのAI濃度で10日間培養した場合に,根先端近傍の組織と細胞が崩壊し,皮層および内皮に対する多量のAIの侵入とKの漏出が起った.5)根組織内にAIが侵入した場合には,地上部へのAIの移行量も増加すると考えられた.
  • 安西 徹郎, 山本 克巳
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 85-91
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    千葉県南部に分布する第三紀層土壌13点の粘土試料を用いて,X線解折法による粘土鉱物の同定を行った.さらにCEC法によって粘土の荷電量を測定し,バーミキュライト,モンモリロナイトおよび非晶質無機成分の含有量を調べた.得られた結果は以下の通りである.1)第三紀層土壌中の主要な粘土鉱物はバーミキュライトおよびモンモリロナイトの層間にアルミニウムが保持されている2 : 1〜2 : 1 : 1型中間種鉱物であった.2)1/3Mクエン酸ナトリウム溶液,60時間処理によって0.85〜2.43%のアルミニウムが溶出され,粘土のCECが平均8.3 meq/100 g増加した.3)CEC法によりバーミキュライトおよびモンモリロナイトの定量を行うには層間のアルミニウムを完全に溶出しなければならない.4)アルミニウム溶出処理後の粘土試料におけるバーミキュライトおよびモンモリロナイト含有量はそれぞれ0.3〜5.6%,30.1〜52.7%であった.また,非晶質無機成分含有量は6.3〜17.4%であった.これら3成分の合計は42.2〜71.1%であった.
  • 境 昭二, 高田 穣, 中川 良二, 山田 芳雄
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 92-98
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    1)オキサミドの水稲による経根吸収は,蒸散流濃度係数(培養液と蒸散流中のオキサミドの濃度比)の値から,マスフロー的吸収であることが推定された.2)吸収されたオキサミドは,蒸散流の動きに伴って根および茎・葉蛸中を速やかに移行し,葉身に集積する.葉身中ではほぼ均一に全面に分布し,蒸散の旺盛な活動中心葉に分布が多い.3)オキサミドの代謝は一部根で認められると同時に集積する葉身においても徐々に進行し,土壌中と同じようにシュウ酸を経て二酸化炭素に代謝されるものと推定された.
  • 佐藤 庚, 玖村 敦彦
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 98-
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 杉山 範子
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    植物葉組織のリン含量とホスファターゼ活性の関係を解明するために,培養液中のリン濃度を変え,(0.5,20,200 ppmP)水耕栽培をしたトウモロコシおよびトマトの上位葉と下位葉の酸性ホスファターゼ活性を測定した.両植物の茎葉部のリン含量は培養液中のリン濃度が上昇することによって増加した.しかし培養液中のリン濃度に対する両植物の反応の程度は異なった.すなわち,トウモロコシ茎葉部のリン含量は培養液中のリン濃度が20ppmPで最大となったが,トマト茎葉部リン含量は培養液のリン濃度が200ppmPでも増加しつづけた.両植物の下位葉における酸性ホスファターゼ活性の増大は,そのリン含量の減少と関係があることを示し,0.5ppmPで生育した植物でこの酵素活性が最大に達した.一方両植物の上位葉では,200ppmPで生育した場合,酸性ホスファターゼ活性は生育の進展にともなって上昇したが,0.5ppmPで生育した場合,リン含量が減少したにもかかわらず酸性ホスファターゼ活性の上昇は認められなかった.0.5ppmPで生育するトウモロコシおよびトマトに対するリン(20ppmP)添加が,葉の酸性ホスファターゼ活性とリン含量に及ぼす影響を経時的に観察した.0.5ppmP区で生育した植物にリン(20ppmP)を添加すると,それ以降両植物の下位葉における酸性ホスファターゼ活性はほぼ標準区(20ppmP)の水準にまで低下した.この酵素活性の低下はリン含量の増加をともなっていた.また0.5ppmP区へのリン(20ppmP)添加は,両植物の上位葉のリン含量を増加させ,標準区のそれに近い水準にまで至らしめたが,酸性ホスファターゼ活性を低下させることはなく,むしろ増大させたのち一定にした.これらの結果が植物葉中のリン移行との関係によって考察された.
  • 秋元 浩一
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 104-
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 安藤 淳平, 中島 碩司
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 105-109
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    1)焼成物中に検出された主要鉱物はKAHS_2, KMA, およびメリライトである.これらの中のSiO_2は主としてフライアッシュ中の石英から,一部はガラス質から供給されたものであり,Al_2O_3は主としてフライアッシュ中のガラス質から供給されたものと判定される.2)KMSは焼成温度が700〜800℃程度のときに多く生成する.焼成温度が高くなるにつれてKMSは減ってKAFS_2が増し,900℃以上ではメリライトも生成する.すなわち,高温ではKMSのK_2OやSiO_2はKAFS_2に移行し,MgOはメリライトの生成に役立つ.3)KMSはクエン酸にもクエン酸アンモニウムにもよく溶ける.KAFS_2はクエン酸にはよく溶けるが,クエン酸アンモニウムには溶けにくい.カリの肥効を高くするためには,KMSの含有量を増すことが考えられる.4)KMSの含有量を増すためには,原料のMg(OH)_2の添加量を増し,700〜800℃に焼成するとよいであろう.ただし焼成温度が800℃以下では未反応の水溶性カリが多く残りやすく,また可溶性ケイ酸の含有量が少なくなる.5)ケイ酸カリ肥料の品質をさらに向上させるためには,上述の反応機構や生成鉱物の性質を考慮し,肥効試験の結果との総合判断によって,原料の配合と焼成の最適な条件を見いだすことが望まれる.
  • 藤田 耕之輔, 尾形 昭逸, 松本 勝士, 河江 順治
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 110-114
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    ダイズ栽培種,野生種,レンゲおよびシロクローバーを異なる硝酸態窒素濃度下で水耕栽培し,根粒着生状態,窒素固定能,窒素集積量を調査し,下記の結果を得た.1)固体窒素固定能は各種とも硝酸態窒素存在下で低下し,この低下はレンゲで最も小さく,次いでシロクローバー,ダイズ栽培種,ダイズ野生種の順に小さかった.レンゲでは,多種に比べて根粒重および根粒活性の培地窒素による阻害が小さかった.2)培地中に化合窒素が存在する場合,レンゲ根粒では窒素含有率が上昇したのに対して,多種の根粒では低下し,さらにレンゲ根粒では,多種の根粒よりも全窒素中に占める化合窒素の割合が高かった.3)培地窒素濃度を一定に維持した場合,化合窒素による窒素固定の阻害程度の小さいレンゲが,本実験で供試した他のマメ科植物と比較して,窒素集積量を増大させるうえで必ずしも有利であるとはいえない.
  • 山本 一彦, 隅田 裕明, 松坂 泰明, 矢崎 仁也
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 115-122
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    わが国に分布する農耕地土壌に対する各種有機性廃棄物コンポスト施用の影響を明らかにするため,8土壌群(黒ボク土,褐色森林土,褐色低地土,灰色低地土,赤色土,石灰質灰色台地土,暗赤色土,砂丘未熟土)12点の土壌に豚ぷん,下水汚泥,都市ゴミの各コンポストをそれぞれ10%添加し,6か月間培養して土壌化学性の経時変化を追跡した.結果を要約すると,以下のとおりである.1)pHは,各コンポストの添加によりほとんどの土壌で経時的に低下したが,原土の塩基飽和度が高い石灰質灰色台地土と暗赤色土ではその低下の程度はわずかであった.コンポスト間では,都市ゴミの場合にはほとんど変化はみられなかった.2)電気伝導率は,コンポスト添加によりほとんどの土壌で経時的に上昇するが,特に豚ぷんコンポスト添加の場合の褐色低地土,灰色低地土,一部の褐色森林土,石灰質灰色台地土ならびに暗赤色土の上昇が顕著であった.3)全炭素含量は,各コンポスト添加土壌とも経時的に減少したが,石灰質灰色台地土と,暗赤色土の減少率が最も高く,土壌により有機物分解の様相に差があることが判明した.4)全窒素含量は,コンポスト添加により,石灰質灰色台地土と暗赤色土を除き多少減少した.この減少は,砂丘未熟土で顕著であった.全窒素含量の低下は有機物分解に伴う脱窒によるによるものと考察した.5)陽イオン交換容量は,コンポストの添加とその分解に伴い,経時的にわずかに上昇する傾向を示した.ただし,砂丘未熟土にはこの傾向はみられない.6)以上の化学性の消長から,土壌群もしくは土壌統群により,添加有機物に対する反応の異同について一定の方向性のあることが示唆された.
  • 山本 一彦, 隅田 裕明, 松坂 泰明, 矢崎 仁也
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 123-129
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    わが国の農耕地土壌に対する各種有機性廃棄物コンポスト施用の影響を明らかにするため,8土壌群12点の土壌に対して豚ぷん,下水汚泥,都市ゴミの各コンポストを添加し,6か月間培養して土壌養分の経時変化を検討した.結果を要約すると,以下のとおりである.1)NH_4-Nは,豚ぷん区で培養初期に高濃度を示したが,その後急減し,6か月後にはすべての土壌で微量になった.この傾向は,石灰質灰色台地土,暗赤色土および砂丘未熟土で顕著であった.汚泥区では豚ぷん区と同様に初期に高いが,その後の減少の程度は土壌によって異なり,褐色低地土,灰色低地土,一部の褐色森林土および赤色土では6か月経過後もかなりのNH_4-Nの残存が認められた.都市ゴミ区では,6か月間を通じてすべての土壌でNH_4-Nはきわめてわずかにすぎなかった.2)NO_3-Nは,コンポスト添加により,ほとんどの土壌のすべての区で経時的に急速に増加した.この増加は,コンポスト間では豚ぷん>都市ゴミ>汚泥の順であった.6か月後のNO_3-N含量は,各コンポスト添加区とも,黒ボク土,一部の褐色森林土,褐色低地土,灰色低地土が勝った.3)都市ゴミ添加の場合,各土壌とも初期に,コンポスト分解によって生成した無機態窒素が一時的に有機化することがわかった.また石灰質灰色台地土および暗赤色土では,アルカリ反応によりNH_4-Nの一部が揮散し,さらに可分解性有機物を多量に含む土壌では,硝酸の一部が脱窒によって失われる可能性のあることを指摘した.4)有効態リン酸は,特に豚ぷん区で石灰質灰色台地土と暗赤色土が常に高い含量を示した.また,黒ボク土では,コンポスト分解によって生成した有効態リン酸の一部が固定されて無効化することが明らかになった.5)交換性カリウム含量は,すべての土壌で経時変化はわずかであった.また,各土壌とも,交換性カリウム含量はコンポストのカリウム含量にほぼ比例することが認められた.6)交換性カルシウム含量は,石灰質灰色台地土と暗赤色土で常に高く推移した.その他の土壌の交換性カルシウム含量は,コンポストのカルシウム含量にほぼ比例し,経時的な変化はわずかであった.7)以上から,添加コンポストに対する反応が土壌群あるいは土壌統群により異なる傾向を有することが明らかにされ,土壌類型別に有機性廃棄物投与に関する基礎的な指針が提示された.
  • 富川 昭男, 大羽 裕
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 130-134
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    土壌腐植酸の粒子量を腐植酸型や土壌型との関連から調べ,腐植化過程との関係を把握することを目的として,A型,B型,R_p型,P型腐植酸7点を,6種のセファデックスを用いた逐次ゲルろ過法により粒子量別に7画分に分画した.その結果から粒子量分布,数平均粒子量(M_n),重量平均粒子量(M_w),Z平均粒子量(M_Z)および粒子量の多分散性を検討し,合せてこれらの諸特性と腐植化過程との関係について考察した.1)腐植酸の粒子量は0.12×10^4以下から10×10^4以上の範囲に分布し,最も多く分布する粒子量範囲は0.25〜0.75×10^4である.粒子量0.75 ×10^4以下に分布する割合はA型,ポドゾルB_h層P型>B型>褐色森林土P型>R_p型腐植酸の順であり,また粒子量5×10^4以上に分布する割合はR_p型,褐色森林土P型>B型>ポドゾルB_h層P型>A型腐植酸の順である.したがってポドゾルB_h層を除き腐植酸の腐植化度の高いものほど低粒子量域に,腐植化度の低いものほど高粒子量域に分布する割合が高い.またポドゾルB_h層のP型腐植酸は低粒子量域の分布割合が高く,褐色森林土のP型腐植酸の粒子量分布と明らかな相違が認められた.2)A型,B型,R_p型腐植酸のM_n葉0.57〜0.92×10^4,M_wは3.0~7.9×10^4,M_Zは11.5〜16.8×10^4の範囲にあり,いずれもR_p型>B型>A型腐植酸の順である.ポドゾルB_h層,褐色森林土のP型腐植酸のM_nは0.66,0.84×10^4,M_wは4.5,7.7×10^4,M_Zは14.9,16.8×10^4であり,いずれもポドゾルB_h層>褐色森林土となる.3)腐植酸の多分散性の尺度であるM_w/M_nの値は5.3〜9.2の範囲にあり,褐色森林土P型>R_p型>B型> ポドゾルB_h層P型≧A型腐植酸の順であり,ポドゾルB_h層を除き,腐植酸の腐植化度の高いものほど多分散性は低下する.4)腐植酸の粒子量は,腐植化度が進むにつれて,5×10^4以上の分布割合が減少し,0.25〜5×10^4の範囲に均一化する傾向がある.5)腐植酸の粒子量分布,平均粒子量,多分散性は土壌中における腐植酸の生成条件や形成過程を反映し,腐植化過程を表す一つの指標になるものと考えられる.
  • 佐藤 和夫
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 135-140
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    たん水土壌の土壌溶液のEhを示す系の内容を明らかにするため,タイプの異なる5種の水田土壌を嫌気的にたん水保温し,酸化されないように土壌溶液を測定容器に採取し,溶液中にN_2ガスを通して全炭酸の変化によるpHとEhの関係を追跡した.1)N_2-bubbling による土壌溶液のΣCO_2の減少とpHの上昇の間には高い負の相関がみられることを確認した.2)いずれの土壌溶液もN_2-bubblingによってpHは上昇し,Ehが対称的に低下する.Fe(II),ΣCO_2の多い長野,鹿島台土壌はpH7.1〜7.5より白色の沈殿(たぶんFeCo_3)が生成した.古川砂質土はFe(II),ΣCO_2も少ないが,ΣCO_2/Fe(II)が高く,pHが低い(5.5)初期のN_2-bubblingはΣCO_2の減少とpHの上昇に伴うEhの変化(低下)がみられなかった.3)各種土壌溶液のpH6.3〜8.0付近までのpHとEhの関係を調べ,相関係数は-0.971〜-0.996と負の高い関係が示された.4)pHとEhの勾配(ΔEh/ΔpH)は一次回帰式で求められ,その直線勾配は相関があるpH範囲内で,pH1の上昇によるEhは-0.174〜-0.185Vと低下し,Fe^<2+>-Fe(OH)_3の勾配にほとんど合致することが示唆された.
  • 俵谷 圭太郎, 但野 利秋, 田中 明
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    I.低リン火山性土壌に-P区と+P区(600kgP_2O_5/ha)を設け6種畑作物を栽培し,生育期間中3〜5回試料を採取してVA菌根菌感染率を測定し,次の結果を得た.1)-P区と+P区における感染率はバレイショでは全生育期間にわたって低く,トウモロコシ,コムギ,ダイズ,インゲンでは生育に伴い上昇した.2)リン試予によりすべての作物で感染率が低下し,バレイショで最も低下した.3)低温,日射量不足であった1983年は,1982年に比べてVA菌根の感染が遅れた.II.北海道各地の畑作地帯および草地より畑作物,牧草,野草を採取し,VA菌根菌感染率,土壌の有効態リン含量を測定し,次の結果を得た.1)1982年に調査した植物の感染率は,トウモロコシ(36〜92%),アズキ(51〜86%),ダイズ(36〜89%),ホワイトクローバー(24〜100%),インゲン(6〜92%),オーチャードグラス(21〜88%),ヒメスイバ(40〜58%)で高く,テンサイ(0〜4%),タマネギ(0〜4%),バレイショ(0〜8%)で低く,コムギ,ヘラオオバコ,オオバコ,ヨモギで中間的であった.2)1983年に調査したトウモロコシ,アズキ,インゲン,バレイショ,オーチャードグラス,ホワイトクローバー,ヘラオオバコの感染率の平均値は1982年より低かった.3)TRUOG法で測定した土壌の有効態リン含量は1〜454mg P_2O_5/100g風乾土に分布し土壌pHは4.3〜7.7であった.4)各植物のVA菌根菌感染率と土壌の有効態リン含量,土壌pHとの関係は不明瞭であった.
  • 香川 邦雄, 菅沼 浩敏, 森下 豊昭, 太田 安定
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    灌漑水の塩分濃度が牧草の生育とその有機・無機組成に及ぼす影響を検討するため,ローズグラス,イタリアンライグラス,アルファルファおよびレッドクローバーの4種の牧草を多摩微砂質砂土を充填したポットに降雨遮断下のガラス室内で0〜10,000ppmの塩分を添加した人工塩水を灌水しながら栽培し,刈取回次別の収量と収穫物の粗タンパク質,粗繊維などの有機組成と無機塩類の濃度を測定した.その結果は,次のように要約された.1)生育,収量に対する塩水灌漑の影響は,各草種とも刈取回数がふえるに従って顕著に表れ,その減収の程度はレッドクローバーが最も大きく,次いでアルファルファ,ローズグラス,イタリアンライグラスの順であったが,レッドクローバーを除く3草種の草種間差はそれほど大きくなかった.2)灌漑水の塩分濃度の上昇に伴い,刈取収穫物中に占める葉身の割合が一般に増加し,粗タンパク質含量の増加と粗繊維含量の低下が特にイネ科の牧草で顕著に認められた.3)無機成分の含有率は,灌漑水中の塩分濃度が上昇するに伴いナトリウムとマグネシウムは4草種を通じ増大が認められたほか,イタリアンライグラスとアルファルファにおけるカルシウム,ローズグラスにおけるカリウム濃度の低下が顕著であった.また,マンガンの濃度は塩分濃度の上昇に伴って低下し,鉄濃度はかえって増大する傾向があった.
  • 藤井 弘志
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 153-155
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 岩本 信義
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 156-157
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 武井 昭夫, 津田 佳久弥
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 158-160
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 三宅 正紀
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 2 号 p. 161-167
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 56 巻 2 号 p. 168-169
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 56 巻 2 号 p. App2-
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 56 巻 2 号 p. Cover3-
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 56 巻 2 号 p. Cover4-
    発行日: 1985/04/05
    公開日: 2017/06/28
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