システム農学
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17 巻, 1 号
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投稿論文
  • 田中 恒夫, 渡辺 智秀, 津村 一生, 藤原 広光, 黒田 正和
    2001 年 17 巻 1 号 p. 51-58
    発行日: 2001年
    公開日: 2023/12/04
    ジャーナル オープンアクセス
    群馬県東部の畜産業の盛んな地域において、その周辺を流れる小河川の流量と水質を調査し、流域での発生汚濁負荷量と河川への流入汚濁負荷量の関係について栄養塩類に着目し検討した。調査した集水域において、河川水中に存在する栄養塩類の多くは硝酸性窒素であり、その濃度は3~13mg/Lの範囲で比較的高かった。地下水の硝酸性窒素濃度は3~32mg/Lで同様に高かった。塩素イオン濃度は10~40mg/Lで、人為起源汚濁負荷による水質汚染の可能性が示された。リン酸イオン濃度は0.05~4.5mg/Lの範囲であった。土地利用と河川水質の相関を窒素成分に着目し検討した結果、苗木畑面積率とアンモニア性窒素濃度の間に強い相関が見られた。雨天時の河川水質調査では、物質による流下時間(濃度ピーク)の違いが観察された。また、原単位法により求めた窒素およびリンの発生負荷量に基づく流達率はそれぞれ0.1-0.5および0.01-0.1の範囲で比較的小さかった。この結果は、栄養塩類の流域での蓄積の可能性を示唆する。
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