システム農学
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8 巻, 1 号
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投稿論文
  • -知識工学手法の適用によるプロトタイプ作成-
    加藤 克明, 松田 紀之, 池田 三郎, 有田 博之, 今井 敏行
    1992 年 8 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 1992年
    公開日: 2024/01/05
    ジャーナル オープンアクセス
    圃場整備計画策定支援システムの実用化に資する目的で、プロダクションシステムによる知識表現等を用いた部分システムの試作をProlog等を用いて行い、開発のための課題と問題点の整理を行った。試作の対象としたのは、圃場整備事業種選択支援システムと農地情報利用システムである。前者は、知識ベースの一部を構成し、後者は、データベースの一部を構成する。このことにより、知識とデータが整理できる部分では、知識工学手法による支援システムの実用化が可能であることを示唆した。
  • 松本 成夫, 袴田 共之
    1992 年 8 巻 1 号 p. 14-23
    発行日: 1992年
    公開日: 2024/01/05
    ジャーナル オープンアクセス
    都市化が進んだ茨城県取手市の1985年における有機物フローを明らかにし、都市化が有機物フローに及ぼす影響と還元有機物が農地および環境に及ぼす影響を解析した。1.取手市の人口密度は2134人/km2であり、そのうちの94%は非農家入口である。地域面積のうち農地面積は23%であり、大半が水田である。家畜の飼育頭数は少ない。2.取手市は非農家人口が多いため、食料の98%は購入されている。一方、家畜の飼育頭数が少なく、畜産に関するフローが少ない。そのため、購入する有機物の96%は食料であり、食生活廃棄物は環境負荷有機物の95%を占める。以上の結果、取手市では購入食料→食生活→環境負荷のフローが多く、循環が少ないフローシステムになっている。3.農地1ha当たりの農地還元有機物量は8.1tと見積もられる。これらの有機物が分解することにより無機化される窒素量をモデルシミュレーションにより推定すると、農地Iha当たり80kgの窒素が供給されていると見積もられる。農地還元量/(農地還元量+環境負荷量)×100をリサイクル率とすると、取手市のリサイクル率は35%である。環境負荷を低減するためにはリサイクル率を高めることが考えられるが、仮にリサイクル率を100%として計算してみると、無機化しなくてはならない窒素量は441kg/haにも達するものと推定される。これは農地が不足していることに起因する。都市化が進行している地域では、近隣地域を組み込み、農地を確保し、養分が過剰にならない範囲内で循環するフローシステムの確立が必要であろう。
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