システム農学
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35 巻, 3 号
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研究論文
  • -波長選択型PLSR法-
    江口 研太郎, 木村 俊之, 川村 健介, 内山 和宏
    2019 年 35 巻 3 号 p. 43-52
    発行日: 2019/11/29
    公開日: 2020/08/21
    ジャーナル フリー

    フェストロリウムは優れた寒地型イネ科牧草である。フェストロリウムを試験圃場で栽培し、2番草と3番草節間伸長期に163株の葉をサンプリングし、真空凍結乾燥後破砕し、総ポリフェノール、α-トコフェロール、β-カロテン、ルテイン含量を化学分析で求めた。葉の粉砕物の近赤外スペクトルと化学分析値を用いて、通常の部分最小二乗回帰分析(PLSR)法と波長選択型PLSR法により検量線を作成した。総ポリフェノール含量のクロスバリデーションの決定係数(R²cv)とRPD(Ratio of standard error of standard deviation of reference data in predicted sample set to Standard error of cross-validation)は、PLSR法では0.865と2.693、Iterative Stepwise Elimination PLSR(ISE-PLSR)法では0.930と3.772、Genetic Algorithm PLSR(GA-PLSR)法では0.897と3.108であり、実用的な精度で推定可能、α-トコフェロール含量のR²cvとRPDは、PLSR法では0.425と1.302、ISE-PLSR法では0.473と1.378、GA-PLSR法では0.495と1.406であり、ラフな精度で推定可能、β-カロテン含量のR²cvとRPDは、PLSR法では0.562と1.504、ISE-PLSR法では0.589と1.558、GA-PLSR法では0.648と1.683であり、ラフな精度で推定可能、ルテインのR²cvとRPDはPLSR法では0.429と1.299、ISE-PLSR法では0.621と1.589、GA-PLSR法では0.474と1.377であり、ラフな精度で推定可能と判定された。

短報
  • 江口 研太郎, 清 多佳子, 木村 俊之, 川村 健介
    2019 年 35 巻 3 号 p. 53-58
    発行日: 2019/11/29
    公開日: 2020/08/21
    ジャーナル フリー

    ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)は、放牧や採草として利用される優れた寒地型イネ科牧草である。ペレニアルライグラスは機能性成分としてクロロゲン酸を豊富に含んでいる。今後、クロロゲン酸の成分に着目した育種が始まる可能性があり、クロロゲン酸を簡易・迅速に測定する方法の開発が求められている。本試験では、近赤外分光分析を用いてペレニアルライグラスのクロロゲン酸含量の検量線を、全ての波長情報を使用する通常の部分最小二乗法(PLSR法)に加え、対象成分の推定に寄与してない波長情報を除去もしくは有益な波長情報を選択する波長選択型PLSR法としてiterative stepwise elimination PLSR(ISE-PLSR)法とgenetic algorithm PLSR(GA-PLSR)法を用い、クロスバリデーション(交差確認)の決定係数(R²)と残渣予測偏差(RPD)により、推定精度を比較した。2次微分吸光度(SDA)スペクトルを用いたISE-PLSR法ではR²が0.872、RPDが2.782であり、他の手法(R²=0.803 - 0.847,RPD=2.309 - 2.533)よりも精度が高かった。RPD>2.43であることからSDAスペクトルを使用したISE-PLSRモデルは、実用的な精度で推定可能と判断された。

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