システム農学
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5 巻, 1 号
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投稿論文
  • ―大阪府下の森林を対象として―
    于 暁明
    1989 年 5 巻 1 号 p. 49-61
    発行日: 1989/03/15
    公開日: 2024/02/05
    ジャーナル オープンアクセス
    森林には経済機能と公益機能の二つの機能がある。「新しい森林政策』の課題は、森林のもつこれら経済公益両機能を同時かつ最適に調和させ、森林より最高の価値を享受することにある。本論文の目的は、そのための岸根モデル(OAモデル)の有効性を大阪府下の森林を対象に実証し、もって大阪府の最適森林政策を明かにするとともに、私の母国、中国の最適森林政策立案への新しい政策提言を行うことにある。実証研究の結果、本「OAモデル」によって、大阪府下の森林の経済機能と公益機能の両機能を同時かつ最高に調和させるための「最適林齢」と、その下での経済林と公益林の「最適面積配分」および、そのさいの森林の「最大収益」(森林の最高価値)、それゆえ総じて大阪府の「最適森林政策」が明らかにされた。
  • 広岡 博之, 山田 行雄
    1989 年 5 巻 1 号 p. 62-71
    発行日: 1989/03/15
    公開日: 2024/02/05
    ジャーナル オープンアクセス
    システムシミュレーション法は現在農学の分野で広く用いられているにもかかわらず、モデルの不確かさや適用の限界などの問題点のため科学というよりは技術である。本研究では、システムシミュレーションの問題点を示し、それに対するアプローチを検討した。モデルの不確かさの原因として、自然界の変異、モデルパラメーターの推定誤差及びモデルの構造の曖昧さが考えられた。第一に自然界の変異は広範なデータの収集あるいはそれらの変異を量的に表す補正係数の導入によって減少できるものと思われた。第二に、大規模で複雑な生産モデルにおけるモデル出力に対するモデルパラメーターの推定誤差の影響を評価するために、感度分析とモンテカルロ誤差分析が用いられた。その結果、交互作用とモデルパラメータのバラツキの大きさの両方が考慮できるため、径路係数をモデルパラメーターとモデル出力の関係を表す尺度として用いるモンテカルロ誤差分析が最も適当であると示された。第三に、モデルの構造の曖昧さに関連して数式のあてはまりの指標として決定係数を用いることの問題点が論議され、経験式の代りに理論式を用いるシミュレーションモデルの開発が薦められた。次に確定的モデルを用いるシステムシミュレーションを方針決定の手段とする際の限界が指摘され、出力値の分散が既知の場合に限り、方針決定における代替案を客観的に評価する方法を提示した。以上示した方法はすべて完全であるとは限らず、今後、システムシミュレーションの理論的研究の必要性が示唆された。
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