草地の適正な利用と維持を目的として、無作為に調査順序を変更させる種数面積曲線の草地植生の種多様性の評価への適用を検討した。まず、疑似乱数を複数回発生させ調査順序を並べ替えて複数の種数面積関係を作成し、その平均から代表的な種数面積関係を得た。次にべき則モデルを当てはめ、モデル由来の3 つ多様性評価指標:最小面積指標
Aa、種豊度指標
Sa、出現様式指標
zを提案した。シバ優占草地の植生データに本手法を適用し、シミュレーション試験を行った。結果は、無作為順序法により精度の高い種数面積曲線を作成でき、種数面積関係や評価指標に与える調査面積や枠面積の影響が低いことを示した。これらの点に関して、本手法は他の代表的な多様性指標より利点が認められ、草地の多様性評価に有用であることが示唆された。
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