システム農学
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10 巻, 1 号
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投稿論文
  • 斎藤 元也, 秋山 侃, 山田 康晴, 美濃 伸之
    1994 年10 巻1 号 p. 1-10
    発行日: 1994年
    公開日: 2024/01/05
    ジャーナル オープンアクセス
    熱帯地域の農業が高位安定的に生産を維持するためには、現状の農業土地利用の実態を正確に把握し、農地の生産力に適合した営農指針を提供することが必要である。このために熱帯地域の特性を利用した農業的土地利用図の作成と農地の生産力推定の手法の開発を試みた。土地利用図作成については、雨季と乾季の地表水分布および植生被覆率のマトリックスを作成し、地表水分布から水域と水田を、植生被覆率の変化から裸地・畑地・混合農業地に判別した。 さらに、リモートセンシングデータから作成した平均植生指数図・植生指数差図・土壌有機物図等の主題図と、既存地理情報から作成した土壌肥沃性図・標高図・傾斜図を、現地調査と既存資料の情報をもとに、ウェイト付けして重ね合わせを行い、水田あるいは畑地としての生産力分布図を作成した。
  • 岡野 千春, 福原 道一, 西宗 昭, 嶋田 典司, 渡辺 幸雄
    1994 年10 巻1 号 p. 11-20
    発行日: 1994年
    公開日: 2024/01/05
    ジャーナル オープンアクセス
    テンサイの生産者価格は、1986年より根重のみで決定される重量制から根重1トン当りの根中糖分で最低生産者価格が決定される糖分取引制度に移行した。 これを期に、過剰施肥による糖分低下で収益が減少することが問題となり、糖分向上をめざした施肥管理のために、単位面積当りの生産高の把握が必要となった。そこで、十勝地方のテンサイ畑地を対象に、収穫期のランドサット TM データからテンサイの根中糖分および根重を推定し、これらをもとに生産高、重量制との収益差を評価した。 根中糖分は10月のTMデータのTM1とTM3、 根重は9月のTMデータのTM1、TM4、TM5を説明変数とする次の式から推定できた。 糖分(%) =0.172TM1+0.342TM3-3.103 (n=22, r=0.826**)  根重(t/ha) =2,664TM1+0.849TM4-1.395TM5-198.839 (n=22,r=0.909**)  生産高は、褐色火山性土で高く、低地土や黒色火山性土で低かった。また、収益差が正になる圃場は褐色火山性土および低地土で多く、負になる圃場は黒色火山性土で多く確認された。したがって、解析結果は、TM データから画素に対応する地点ごとにテンサイの根中糖分・根重の推定および生産高の評価ができ、施肥管理に活用できることを示した。
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