システム農学

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本稿ではこれまでの台湾における青果物卸売市場研究をサーベイし、分析手法の違いに基づいて３つのグループに分けて、主な成果を要約するとともに、問題点の検討を通して今後の課題を明らかにした。①1970年に「改進農産運銷方案」制定以後行われている商業学的接近法に基づく研究では、市場介在の合理性や諸機能などが解明されたが、価格変動の要因などについて着手していないことである。それらの課題は方法論的に限界があるため、他の接近法ないし視点からの研究が必要である。②呉らにみられる経済学的接近法に基づく研究では、卸売商の競争的地位や価格形成メカニズムなどが解明されたが、市場流通構造の解明が極めて不十分なことである。この解明は市場構造論的接近法に基づく研究において取り入れるべき課題である。③蕭らによる市場構造論的接近法に基づく研究における問題点および今後の課題として、台湾における「伝統市場体系」の再検証が挙げられる。ところで、地方都市大規模一等市場のシェアは1980年から1998年にかけて上昇し、その地方都市大規模一等市場の展開を基軸に卸売市場流通は大きく変貌しつつある。この事からも、地方都市大規模一等市場の分析は、青果物流通と卸売市場の最近の動向を正確に把握する上でも最も緊要な課題であると考えられる。

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