Dermatophytesとdematiaceous fungiについて,
in vitroにおける組織内形態への形態転換を目的に, 1) 大気中のCO
2濃度の影響, 2) 血液添加の影響, 3) 培地組成の影響の3点について検討を行つた.
Dermatophytesでは大気中のCO
2濃度を20%にして培養するか, 10%血液添加サブロー液体培地で浸盪培養すると, arthrosporeへの形態転換が認められた. また毛髪のアミノ酸組成と類似したアミノ酸合成培地で
Trichophyton mentagrophytesを浸盪培養した場合には, 毛髪内で観察される胞子とほぼ類似した球形細胞が多数形成された.
Fonsecaea pedrosoiと
Phialophora dermatitidisを大気中のCO
2濃度を20%にして培養した場合には, 少数ではあるが, sclerotic cell様の形態変化が認められた. 10%血液添加サブロー液体培地で浸盪培養するとかなり多数の球形細胞とsclerotic cellが形成された. しかしsclerotic cell形成にもつとも適していたのはglucose cysteine blood liquid mediumで, この培地上では多数の球形細胞, sclerotic cellが形成された.
P. verrucosaと
P. gougerotiiではsclerotic cellはきわめて少数形成されただけであつた.
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