正常ラットの骨格筋に対する低周波電気刺激の即時効果について,刺激時間,電圧を変え,五つのグループについてHistology,Histochemistry,電子顕微鏡検査を行った.その結果,(1)すべてのグループの筋線維の直径,Type I,IIの分布比に,刺激群,コントロール群に差は認められなかった.(2)Trichrome染色全グループにragged-red fiberの著明な増加が認められた.(3)電顕検査で,グループIV(10V,60分間),V(10V,200分間)にミトコンドリアの形,大きさのバラツキ,クリステ構造の破壊が認められた.(4)刺激した坐骨神経には異常は認められなかった.以上のことより,閾値以上で長時間電気刺激を行うと,不可逆的な変化が筋肉内に起こることが推察された.
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