電気刺激が関節固定による骨・軟骨変化に及ぼす影響を調べるためラットを用いて実験を行った.関節軟部組織に対し有効であった実験条件と同じ50μA刺激群,20μA刺激群,対照群を作製し,3週間の経過後,粘弾性測定による硬組織の力学解析と骨塩量測定を行った.膝関節での大腿骨・脛骨軟骨表面での押し込み試験からは,対照群に比べた刺激効果は部分的で,50μA群の剛性低下の抑制効果が大腿内側穎面にみられた.大腿骨,脛骨の骨幹端部や骨幹部での骨塩量測定では,刺激効果は得られなかった.電気刺激は,固定による骨・軟骨部の変化を部分的に軽減する可能性はあるが,軟部組織への軽減効果とは刺激条件が異なると考えられる.
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