股関節屈筋痙縮に対しエコーガイド下でフェノールブロックを施行.その方法論を中心に検討した.(1)屍体例で大小腰筋への神経筋枝の確認後,筋肉内神経ブロック中心のフェノールブロック遂行可能.(2)臨床段階では,対象は脳塞7症例11ブロック,脊髄損傷3症例6ブロック.(3)例として患者側臥位にし,プローブを第3/第4腰椎間で背部より体幹に対し縦軸方向および横軸方向にあて同筋のよく描出される方向を選択し穿刺.通電で“モーターポイント”を探索しフェノールを注入.(4)ブロック後は理学療法を併用.股関節可動域の改善と,スキンケアー負担の軽減や基本動作およびADLの改善等を認め,出血,疼痛,性機能障害などの合併症は認めなかった.
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