脳血管障害患者61例を対象に,膀胱内圧曲線と肛門括約筋筋電図の同時測定により下部尿路機能を評価し,以下の結果を得た.
1) 排尿障害のある患者の膀胱機能は過活動性膀胱が,尿道機能は正常尿道がそれぞれ多く,いわゆるDyssynergiaは少なかった.また排尿障害のない患者にも下部尿路機能上異常がみられた.
2) 排尿障害の症状の把握には膀胱内圧測定と外肛門括約筋筋電図の同時測定が有用であるが,混合型の評価は困難である.
3) 下部尿路機能上過活動性膀胱・不全尿道を示した患者は,他の群の患者に比べて,Brunnstrom stageの低い者が多かった.
4) 下部尿路機能とCT上の病巣部位には,明らかな関係は認められなかった.
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