手術,ミエログラフィーの所見から,神経根障害の有無,そのレベルが明らかにされた腰仙部椎間板ヘルニア90例に対してF波分析を行い,術後の経過を含めてその異常を検討した.分析パラメーターを増やしたことにより,従来の報告より高い72.1%のF波異常出現率が得られた.S
1根障害では,腓骨,脛骨神経ともに異常が出現しうるのに対し,L
5根障害ではほとんど腓骨神経のみの異常であった.臨床所見で異常がなくとも,F波異常を呈する例が少なくなかった.術後1~4ヵ月の経過で多くのF波異常は正常化した.F波所見の改善と筋力低下の改善には関連が認められ,F波の経時的観察が運動神経機能の術後評価の指標となりうることが示された.
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