てんかんの脳磁図検査には等価双極子法が用いられているが, 解析に多大な時間がかかる。そこで, 等価双極子解析を完全自動化する手法を目指し, 今回, 深層学習によりてんかん棘波を自動検出する手法を開発し, その性能を評価した。解析済みの脳磁図てんかん検査例を対象とした。医師がてんかん棘波と判断して等価双極子解析したデータを棘波有データ, 医師が棘波なしとしたデータを棘波無データとして, それぞれ切り出し, 学習に用いた。てんかん棘波の有無の分別には, SERes2Netを用いた。その結果, 棘波検出性能はAUC 0.957, 特異度 0.981, 感度 0.720であった。心電・筋電ノイズ, μ波等の棘波様波形の誤検出はなかった。解析済みデータを深層学習に学習させることにより, 実用レベルで脳磁図てんかん棘波の自動検出ができた。今後は等価双極子解析の完全自動化を目指す。
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