術中神経モニタリング (IONM) は, 術操作に起因する神経障害の可能性を早期に検出し, 術後の神経合併症の回避を目的に施行される。手術室という特殊環境下で実施するIONMには外科医, 麻酔科医, 看護師, 臨床検査技師, 臨床工学技士などがそれぞれ専門的な立場で関与している。さらにIONMで対象となる神経機能は術操作による影響のみならず, 複数因子の影響を受けることから, 導出波形は変化しやすく, その都度速やかな判断と臨機応変な対応が必要である。したがって, IONMの施行には手術に立ち会っている全職種によるチーム医療が必要不可欠といえる。本稿では検査技師の立場から, IONM遂行上の重視ポイントや波形変化時の対応手順, 加えてIONM導入時に技師に協力を求める際のコツについて記述した。IONMによって最大限の神経機能の温存を目指すため, より良いチームで業務を遂行できるよう, 今後も協力していきたい。
抄録全体を表示