臨床神経生理学
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40 巻 , 1 号
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原著
  • 井垣 歩, 岡田 文明, 黒田 美穂, 戌角 幸治, 小柴 賢洋
    2012 年 40 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル フリー
    頸椎症性筋萎縮症 (CSA) には近位型と遠位型があり, その原因は神経根障害, 脊髄前角障害, ないしその混合型とされる。CSA患者において, 鎖骨上窩 (Erb点) 刺激による近位筋, 遠位筋の複合筋活動電位 (CMAP), F波および中枢運動伝導時間 (CMCT) の臨床的有用性について検討した。CMAPの基準値に対する比は徒手筋力テストと相関するとともに萎縮筋において著明な低下を示した。また, 健側筋や遠位型CSA患者の近位筋においても振幅低下を認めた。CMCTの遅延やF波の異常は近位型では36%, 遠位型では全例で認められ, 脊髄障害による前角障害が考えられた。CSA患者の手術施行群における予後不良例は術前のF波, CMCT測定結果から脊髄障害が示唆された症例であった。以上のことからErb点刺激CMAPとF波, CMCTを治療前に測定することによりCSA患者の病態把握および術後の予後が予測できることが示唆された。
特集「誘発電位・脳磁図」
  • 後藤 純信, 萩原 綱一, 池田 拓郎, 飛松 省三
    2012 年 40 巻 1 号 p. 8-18
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル フリー
    視覚誘発電位 (VEP) は, 誘発脳波計で容易に記録でき, 視覚路の情報処理機能をms単位 (高時間分解能) で評価できる。しかし, 異なる伝導率を有する容積導体を通して頭皮上から記録するため, 後頭葉の軽微な機能変化や機能の左右差を検出するには難がある。一方, 視覚誘発脳磁場 (VEF) は, 生体内の透磁率がほぼ等しく磁場のひずみが生じないため, 時間分解能のみならず空間分解能 (mm) にも優れ, 視覚野の一側性機能異常や軽微な左右の機能差などを鋭敏に検出できる。しかし, 微弱な磁場反応であるため磁気ノイズの混入やそれを遮蔽するための環境整備が必要不可欠である。刺激を工夫して視覚路の機能局在や機能障害の有無を検討するためには, VEPとVEFの長所と短所を知ることが必要である。本稿では, 両者を理解する上で必要な電場と磁場の基礎知識や視覚の生理学に基づく基本的記録法と解析法を解説する。さらに, これらの手法を基にした我々の臨床研究成果の一端を紹介する。
  • 尾﨑 勇, 橋本 勲
    2012 年 40 巻 1 号 p. 19-28
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル フリー
    正中神経刺激による体性感覚誘発電位 (SEP) と誘発脳磁界 (SEF) の特徴についてレビューした。視床皮質線維の活動を反映するM15磁界成分と対応するP15電位, 体性感覚皮質の600 Hz高周波信号について最新の知見を述べた。一次体性感覚皮質起源の中・長潜時SEP反応が刺激頻度の相違によって変化すること, また末梢及び中枢体性感覚伝導路の機能障害のためにN20が消失あるいは不明瞭な患者においても, 中・長潜時SEP波形は長い潜時ほど振幅が大きくなる, クレッシェンドパターンで記録され、決して消失しないことを述べた。したがって、N20が消失あるいは不明瞭な場合, 低酸素虚血性脳症など重篤な脳傷害と診断する際には、適切な記録条件で得られた中・長潜時SEP反応が両側性に全て消失していることが重要であると提案した。
  • 乾 幸二
    2012 年 40 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル フリー
  • 岡本 秀彦
    2012 年 40 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル フリー
  • 望月 秀紀
    2012 年 40 巻 1 号 p. 44-47
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル フリー
    近年, 痒みの脳内認知機構の解明を目指した脳機能イメージング研究が活発に行われている。その多くは, ポジトロン断層法 (PET) や機能的MRI (fMRI) を用いて痒みに関係する脳部位を同定する研究である。一方で, 痒みの脳内認知機構に関する時間的な情報 (脳部位間の情報伝達や各脳部位における情報処理) についてはほとんどわかっていない。その情報を得るには時間分解能の高い脳波や脳磁図が有効である。しかしながら, 従来の痒み刺激法 (ヒスタミン刺激) では痒みに関係する脳活動を脳波や脳磁図で計測することはできないという問題があった。そのような中, 新しい痒み刺激法 (通電痒み刺激) が開発され, 痒みの脳波・脳磁図研究も可能になった。本稿では, 通電痒み刺激を用いた痒みの脳波・脳磁図研究の最新データを紹介する。
  • 小野田 慶一, 安部 哲史, 山口 修平
    2012 年 40 巻 1 号 p. 48-57
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル フリー
    ヒトを含む生体の環境適応にとって, 環境からのフィードバックによって適時行動を修正することは必須の実行機能である。こうしたフィードバックに対する処理の神経生理学的指標の一つとして, フィードバック関連陰性電位 (feedback-related negativity: FRN) が広く用いられている。FRNは多様なフィードバック刺激に対して潜時200~300 ms付近で惹起される, 前頭中心部優勢の陰性電位であり, 前帯状回がその発生源であると考えられている。近年では, 実験的アプローチや計算論的アプローチによりFRNが何を反映しているかが徐々に明らかとなってきており, また, FRNを指標とした多様な応用研究が展開されている。本稿では, FRNに関する最近の知見を概観し, その動向を探る。
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