臨床神経生理学
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44 巻, 2 号
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原著
  • 田中 聡, 平尾 順, 山田 純一, 岡 秀宏, 高梨 淳子, 秋元 治朗
    2016 年 44 巻 2 号 p. 53-59
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2017/04/14
    ジャーナル フリー

    術中MEPモニタリングの評価方法には, 振幅による方法と刺激閾値による方法がある。我々は一貫して振幅評価を行っており, 特に術中経頭蓋 (TC) MEPモニタリングにおいて, 末梢神経刺激CMAPによる振幅補正を行い報告した。現在, 日本光電工業の誘発筋電計Neuromaster においてはCMAP補正を自動で行うプログラムが用意されている。2003年3月からCMAP補正を行った脳神経外科手術連続436回において疾患別に本法の有用性を再検証した。脳動脈瘤手術においてはCMAP補正の有無による感度の差が大きく, CMAP補正の有用性が示唆された。脳腫瘍手術ではTCMEPは感度が低く, 運動野直接刺激MEPの補助として行うべきである。脊髄手術では術後麻痺の予測・予防に関してCMAP補正の有用性は示されなかったが, 術後神経症状の回復を予測する上では有用であると考えられた。圧迫性脊髄神経障害に対する除圧手術では, CMAP補正下で振幅相対値20%未満になると麻痺が生じ, 振幅増加率20%以上になれば神経症状の回復が認められると考えられる。

総説
  • 宮内 哲
    2016 年 44 巻 2 号 p. 60-70
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2017/04/14
    ジャーナル フリー

    その1において, (1) Bergerが脳波の研究を始める前に, 神経解剖学的研究, 脳血流・脳温の計測, 脳への電気刺激など, さまざまな当時としては最先端の研究を行っていたこと, (2) それらの研究の多くは闇雲に行ったのではなく, 19世紀の自然科学に大きな影響を与えたエネルギー保存の法則に基づいたBergerなりの脳活動と精神活動に関する壮大な構想に基づいて行われた可能性があることを述べた。その2では, Bergerがヒトの脳波を発見する前に行われた動物の脳波に関する研究, Bergerによるヒトの脳波の研究を紹介し, Bergerの研究が当時の神経生理学に受け入れられなかった理由について考察する。

解説
その他
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