臨床神経生理学
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50 巻, 6 号
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特集「機能性神経障害の電気生理」
  • 関口 兼司, 園生 雅弘
    2022 年 50 巻 6 号 p. 481
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2022/12/07
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  • 園生 雅弘
    2022 年 50 巻 6 号 p. 482-486
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー
  • 吉野 敦雄, 山脇 成人
    2022 年 50 巻 6 号 p. 487-491
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    脳画像研究は, 様々な疾患に対して病態メカニズムの解明に向けて少しずつ進歩している。本稿では, 身体症状症 (疼痛が主症状のもの) について概括する。依然として報告数が少なく, 明確な病態メカニズムは明らかにされていないが, これまでの研究を踏まえると, 機能不全が指摘されているのは主に前帯状皮質, 前頭前皮質, 島皮質, 扁桃体, 海馬など疼痛関連領域である。特に島皮質は自身の身体内部や感情の情報をマッピングし, 環境情報を統合する中心的な機能を担っており, 身体症状症にとって重要な領域であると考えられている。しかしながら明確に把握するための評価指標は確立されておらず, 今後さらなる研究が必要である。

  • 関口 兼司, 森本 耕平, 末廣 大知, 野田 佳克, 松本 理器
    2022 年 50 巻 6 号 p. 492-496
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    症状が神経学的診察や他の補助検査を用いても説明不可能なとき, 機能性神経障害 (FND) が想定される。FNDは特徴的な所見を見いだして積極的に診断する疾患に変わってきている。感覚症状を呈するFNDは運動障害を呈する患者と比較すると, 特徴的な症候が乏しいとされているため, 生理検査も重要な位置を占める。Mayo ClinicのTiptonらは感覚症状を呈する神経伝導検査が基準範囲内の患者400名で多変量解析を行ったところ, 症状が多巣性に分布する患者の感覚神経活動電位 (SNAP) 振幅が大きかったと報告した。我々は感覚症状を呈するFND患者76名のSNAPを対照と比較したところ, 両群間に有意な差はみられなかったが, 説明できない運動症状を伴う群, 症状が持続的でない群は対照に比してSNAP振幅が有意に大きかった。ただし前者は有意に若年であり, 年齢が交絡因子として作用していた。今後より大規模な患者集団を用いた観察研究が必要と考えられる。

  • 福永 幹彦, 西山 順滋, 阿部 哲也
    2022 年 50 巻 6 号 p. 497-501
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2022/12/08
    ジャーナル フリー

    機能性神経障害は純粋に心理的な病態と考えられてきたため, 心身症に含まれてこなかった。一方近年注目されている, 機能性身体症候群は, 身体的には重篤でない機能性の疾患だが, 患者の心身の苦痛は大きく患者数も多いため注目をあびている。心理社会的問題が病態に関与することも多く, 心療内科の治療対象の中核の一つとなっており, 医師患者関係を中心とした心身医学的アプローチも確立している。機能性神経障害も, 心理社会的問題の関与の仕方や, 専門診療科における受診患者割合からは, 機能性身体症候群と重なる部分が多い。身体要因不明の中枢神経の機能性疾患として考え, 機能性身体症候群の一つと考えることもでき, 心身医学的アプローチが効果的な患者がおられる可能性は高い。一治療経験を通して, 心身医学的治療法につき紹介する。

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