Narver, Slater, and MacLachlan(2000; 2004)によって提唱された先行型市場志向と反応型市場志向に関して、多くの研究者たちがイノベーションやパフォーマンスとの関連性を議論してきた。本研究では、約 10年間にわたり取り組まれてきた先行型市場志向と反応型市場志向に関する実証研究を整理し、メタアナリシス・アプローチによってレビューした。38 篇の論文を対象とした分析の結果、先行型市場志向は組織の革新性を媒介して間接的にパフォーマンスへ影響を及ぼす一方、反応型市場志向は直接的に影響を及ぼすことが明らかとなった。また、調査対象企業の業種や調査実施国の文化特性の違いは、先行型市場志向とパフォーマンスの関係へほとんど影響を及ぼさないことも明らかとなった。
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