流通研究
Online ISSN : 2186-0939
Print ISSN : 1345-9015
ISSN-L : 1345-9015
10 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • マーケティングにおける質的リサーチの有効性
    栗木 契
    2008 年 10 巻 3 号 p. 1-18
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、マーケティング・リサーチの対象、目的、焦点を再考し、質的リサーチの位置づけを見直すことである。そのために、本稿では、社会科学の領域で提唱されてきた3つの代表的なリサーチ・プログラムの構想 (論理実証主義、批判合理主義、構築主義) をとりあげ、マーケティング・リサーチの対象や目的により適しているのはどの構想であるか、そしてこれらの構想の違いによって、リサーチ・プログラムにおける質的リサーチの位置づけがどのように変化するかを検討する。その結論として、本稿では、 (1) マーケティング・リサーチは、「局所的秩序」を対象としたリサーチとなること、 (2) したがってマーケティング・リサーチの目的は、「規則や秩序の局所性の反省」と「規則や秩序の予測・再現可能性の向上」という2つの課題を達成することとなり、 (3) そのためには、「偶有性の解明」と「行為の連鎖がおりなす、循環する関係の把握」に適した質的リサーチを積極的に活用するべきであることを主張する。なお、以下はその後編である。
  • 頂新 (康師傅) と統一企業のケースを通じて
    鍾 淑玲
    2008 年 10 巻 3 号 p. 19-36
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
    中国市場における台湾資本の頂新 (康師傅) と統一企業の二大食品メーカーのブランド形成過程、およびマーケティング・チャネル構築の考察を通じて、中国市場における製販統合型経営の存立状況と形成要因を明らかにした。
  • 薗部 靖史
    2008 年 10 巻 3 号 p. 37-50
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究は、消費者の知覚における、企業の社会貢献活動 (利他性、事業領域との適合性) が企業の信頼 (信用、能力) に及ぼす影響を経験的に考察することを目的としている。本研究では、利他性から信用への影響だけではなく、先行研究で議論されてこなかった、企業の社会貢献活動の事業領域との適合性が能力へ及ぼす影響にも注目している。
    上記の目的を果たすために、本研究では消費者への質問票調査、および、共分散構造分析を実施する。その結果、次の3つが主に明らかにされる。第1に、企業の社会貢献活動が企業の信頼の変化に影響する。第2に、既存の企業の信頼が企業の社会貢献活動に影響する。第3に、既存の企業の信頼が企業の信頼の変化に直接影響する。
  • 台北市「艦舟甲服飾商圏」の事例研究
    簡 施儀, 石井 淳蔵
    2008 年 10 巻 3 号 p. 51-69
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、台湾における「艦舟甲服飾商圏」の事例を通じて、商店・商店街の発展において家族と人的ネットワークが果たした役割を明らかにすることである。ここでいう家族とは直系の血縁関係のあるものであり、人的ネットワークとは直系の血縁関係以外の親族に加え、同郷人や同業者との関係をも含んでいる。この調査結果は二つのことを提示する。第1は子供たちは、父親から店や商権という財産を継承しつつも、創造的に新しい事業を切り開くというダイナミックな姿を示すものである。第2に、人的ネットワークは商店街にとって外部資源の価値となり、商店街を形成・維持する役割を演じる。
feedback
Top