流通研究
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14 巻, 2_3 号
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特集論文
  • 南 知恵子
    2012 年 14 巻 2_3 号 p. 1-15
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    本稿は、サービス品質と顧客満足に関連する領域に焦点を当て、とくに 2000年以降の研究動向について整理し、現在および将来需要のある研究領域の識別、提言を行うことを目的とする。本稿は、1)サービスの知覚品質と顧客満足との因果関係、 2)サービスの知覚品質、顧客満足、継続的購買意図の構造的理解、 3)サービスの知覚品質と顧客満足に関する研究の領域拡大と発展動向、 4) BtoB取引関係におけるサービスの知覚品質と顧客満足、から構成される。
  • 酒井 麻衣子
    2012 年 14 巻 2_3 号 p. 17-53
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    本研究では、サービス業における顧客維持戦略において、顧客満足と両輪をなす重要性を持つスイッチング・バリアに着目し、それを形成する要因とそれが顧客リレーションシップにもたらす成果に関し、複数の業種について実証的に検討した。 「手続き的」「関係的」「経済的」という 3つのスイッチング・バリアがそれぞれ、顧客ロイヤルティや感情的・計算的コミットメントに異なる影響を与えること、またさまざまなサービス品質に関する評価や顧客の利用状況によって異なるスイッチング・バリアが形成されうること、さらにそれらの関係性が業種によって異なることが明らかになった。スイッチング・バリアに関する汎用的かつ実証的な先行研究が十分でない中、バリアのタイプについて多面的に測定したこと、また百貨店、コンビニエンスストア、携帯電話、損害保険という特徴の異なる 4つの業種にまたがって横断的に測定し業種による比較を可能としたことで、スイッチング・バリアの先行指標と成果指標に関してより多くの知見が得られたことが、本研究の意義の一つと言える。
投稿論文
  • ─学習理論に基づく製造業者のチャネル行動の実証分析─
    結城 祥
    2012 年 14 巻 2_3 号 p. 55-75
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、拙稿「マーケティング・チャネルにおける新規販路開拓と関係性の管理」 (2010)において残された問題、すなわち「成果と希求水準の乖離状況がチャネル行動に及ぼす直接効果」と「既存の研究アプローチから導かれる競合仮説」を考慮していないという限界を克服することにある。 学習理論、チャネル構造選択論、チャネル交渉論、そして取引費用モデルに依拠して仮説を導出し、製造業者の販路開拓度と販路同調水準を従属変数とする重回帰分析を行った結果、成果と希求水準の乖離状況はチャネル行動を直接規定する変数であること、またチャネル行動の説明に際して学習理論の援用が有効であることが明らかにされた。
  • 寺本 高, 西尾 チヅル 
    2012 年 14 巻 2_3 号 p. 77-96
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    本稿では、消費者に内在する感情的コミットメントと計算的コミットメントがブランド・ロイヤルティの長期的な維持・強化にどのように貢献するのかについて明らかにした。具体的には、消費者における当該ブランドに対する感情的コミットメントと計算的コミットメントの状態の類型化を行ったうえで、類型別のブランド・ロイヤルティの強弱およびその経年変化の比較を行った。その結果、①消費者に内在する感情的コミットメントと計算的コミットメントの状態のパターン化においては、「ベストブランド固定型」、「ベストブランド流動型」、「慣性型」、「バラエティ・シーキング型」の 4つに分類できること、②ブランド・ロイヤルティの形成、持続に望ましい影響を与える感情的コミットメントと計算的コミットメントの状態のパターンは、「ベストブランド固定型」であることが明らかになった。以上の知見は、ブランドにとって望ましい消費者を長期的に維持していくうえで、消費者のブランド・ロイヤルティとブランド・コミットメントの双方を考慮する必要があることを示唆している。さらに自社ブランドのロイヤルティの長期的な維持を促すためには、感情的コミットメントだけでなく、計算的コミットメントのような打算的でリスク回避的な態度の植え付けも必要であるという示唆も与えてくれる。
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