本研究の目的は,ラグジュアリー・ブランドの多次元的価値(名声/エリート主義/独創性/洗練性/情趣)が購買意図を形成するメカニズムに対する,財の観察可能性(他者の視線に晒される可能性)の影響を解明することである。検証の結果,相対的に「情趣」は観察可能性の高い財,「名声」は観察可能性の低い財において,購買意図の形成に顕著な正の影響を与えることが明らかになった。そして,観察可能性の高低に関係なく,総じて「独創性」が顕著な正の影響を与え,「エリート主義」が顕著な負の影響を与えることなどが明らかになった。