流通研究
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15 巻, 1 号
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投稿論文
  • 高嶋 克義
    2013 年 15 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,小売企業のバイヤーにおける革新的な仕入行動が,商品部門と店舗部門との情報交換と MD活動の意思決定権限の配置という 2つの組織的条件によって規定されることを日本の小売企業を対象とする質問票調査データに基づく実証分析で明らかにするものである。そして,分析結果から,小売企業における情報同化とヒエラルキー的分割の組織アーキテクチャが,バイヤーの革新的行動を促すことを示す。
  • 髙田 英亮
    2013 年 15 巻 1 号 p. 15-38
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    本稿は,製造業者がチャネル統合の意思決定を行う際の取引費用要因とケイパビリティ要因の影響について,理論的・経験的な検討を行う。具体的には,まず, Williamsonの取引費用理論と Langloisや Fossらのケイパビリティ理論それぞれの基本的主張が整理される。次に,その 2つの理論の主要仮説を製造業者によるチャネル統合問題の状況で捉えた場合の基本的内容について説明が行われ,仮説が提示される。その後,提示された仮説が,卸売段階のチャネル統合問題の状況において,わが国の製造業者の 273事業部より得たアンケート調査データを用いて経験的にテストされる。実証分析の手法としては,共分散構造分析と階層的回帰分析が用いられ,分析の結果,人的卸売資産の特殊性と物的卸売資産の特殊性という取引費用要因と,製品知識の技術的複雑性,生産・卸売活動間の相互依存性,および卸売市場の厚みというケイパビリティ要因が,卸売チャネルの統合度に統計的に有意な影響を及ぼしていることが示される。また,卸売成果の測定困難性という取引費用要因が卸売チャネルの統合度に有意な影響を及ぼしていないことと,総じて取引費用要因よりもケイパビリティ要因のほうが卸売チャネルの統合度に相対的に大きな影響を及ぼしていることが示される。
  • チャネル間での価格・数量競争と流通費用削減投資
    成生 達彦, 新田 有規, 岡村 誠, 王 海燕
    2013 年 15 巻 1 号 p. 39-47
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    本稿では、チャネル間で価格・数量競争が行われている状況における流通業者による流通費用削減投資の効果について検討する。主要な結論は、投資効率が高い場合には、需要が多くなって取扱量が増えると、流通業者が積極的な投資を行い、限界流通費用が低くなる結果、小売価格が下がるというものである。このことは、需要が多い時期に小売価格が低くなるという現象を説明する。
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