流通研究
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9 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 潜在成長曲線モデルの適応事例
    竹内 淑恵
    2006 年 9 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    大衆薬の下位ブランドの販売を促進するためには、それらを受容する消費者特性を明らかにすることが重要である。製品カテゴリーの下位に位置づけられるプライベート・ブランド (以下PBと記す) に関しては先行研究が多数あるが、結果に一貫性は見出されず、いまだその実態は明確化されていない。そこで本研究では、大衆薬市場における下位ブランドの市場伸張の可能性を探るべく、薬剤師による推奨販売に着目し、どのような消費者が下位ブランドに対する購買意図を形成するのかを明らかにするためのモデルを構築し、実証的に分析を行う。
  • 栗木 契
    2006 年 9 巻 1 号 p. 17-39
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    マーケティングには、やさしいようで、難しいことが多い。当たり前のように思える理論や構想であっても、いざ現場で実践に移そうとすると、空回りしてしまうことがある。マーケティングにおいて難しいのは、理論や構想を、抽象的な次元で理解することではない。難しく、かつ重要なのは、これらの理論や構想を、実践しようとするときに、何が起こるかを見抜くことである。
    マーケティングの実践は、デザインの連続となる。マーケティングの担当者 (マーケター) は、さまざまなステップを踏みながら、抽象的な理論や構想に次々と具体的なかたちを与え、かつ理論や構想を修正していく。マーケターが、抽象的な理論や構想を実践へと結びつけようとすれば、それらに何らかのかたちを与えなければならない。しかし同時に、このかたちの付与には、マーケターの思考を空転させてしまうはたらきがある。マーケターは、特定のデザインを無自覚に採択し続けているうちに、当のデザインが可視化する関係のなかでしか、自社の市場や経営資源を考えられなくなっていく。このような思考の罠とでもいうべき可能性のなかで、あり得たはずの機会を見失わないためにも、マーケターは、デザインという行為に携わっていることを自覚し続けることが必要である。
    本稿では、デザインによる可視化のはたらきをめぐって、消費財と産業材の2つのマーケティング事例を検討する。そして、そのなかで、デザインによる可視化が、意図せざるかたちで、マーケターにとっての現実を構成してしまうという問題を指摘する。
  • 久保田 進彦
    2006 年 9 巻 1 号 p. 59-85
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    比較的競争的な環境下において、買い手との間に長期的かつ友好的な関係を構築するためにはどうしたらよいのか、またその結果としてどのような顧客行動が期待できるかについて「多次元的コミットメントモデル」を用いて説明を試みた。このモデルは、コミットメントをリレーションシップ・マーケティングにおける中心的媒介変数と位置づけ、その先行要素ならびに結果要素との関係を示したものである。本稿では理論的検討にもとづき概念モデルを提示するとともに、経験的検証を行いその妥当性を確認した。
  • 千葉市中心市街地商店街の比較分析
    畢 滔滔
    2006 年 9 巻 1 号 p. 87-107
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本論文は、商店街組織間に見られる活動状況の違いをもたらす原因を、千葉県千葉市の中心市街地に立地する千葉銀座と栄町通り商店街振興組合に関する歴史的比較分析を通じて検討した。その上で、こういった違いが生じるメカニズムについて理論的に検討した。本論文の結論は、明確な権限のヒエラルキーが存在しない商店街組織において、構成員間の相互作用に基づくインフォーマルな調整メカニズムが構成員の意思決定の調整に重要な役割を果たすというものである。すなわち公式的な調整メカニズムが同じである商店街組織においては、インフォーマルな調整メカニズムの働きの違いが組織活動の差異に導くと考えられる。
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