流通研究
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14 巻, 1 号
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投稿論文
  • ─台湾における事例研究をもとに─
    簡 施儀
    2012 年 14 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、24時間営業の導入にともない、中小小売商の夫婦の仕事内容にどのような変化が起こるかを明らかにすることである。質問票調査とインタビューを通じて、台湾における 24時間営業を行うコンビニ加盟店と 24時間営業を行っていない個人商店との比較を行った。結果は次のとおりである。第 1に、加盟店では、配偶者を除く家族従業に頼ることに限界があるため、外部従業員に頼る必要がある。第 2に、加盟店では、外部従業員が主に夫の仕事を分担するが、夫は外部従業員の夜間勤務の不安定性に対応するため、夫の方が妻より外部従業員の存在に影響を受ける。
  • ─実践的転回についての考察─
    吉田 満梨, 水越 康介
    2012 年 14 巻 1 号 p. 17-34
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    本稿では、近年注目を集める実践的転回( practice turn)を考察し、消費経験論への再接続を試みる。 1980年代に Hirschmanや Holbrookを中心に展開された消費経験論は、今日では、消費文化理論(Consumer Culture Theory: CCT)の名のもとに、多様な研究分析が蓄積されるようになっている。我々のみるかぎり、こうした研究には、実践的転回の萌芽をみることができる。実践概念への注目は、 CCTはもとより、多くの消費者行動論やマーケティング論においても、新たな研究方針を提示することにつながる。具体的に言えば、実践概念の下では、主観的かどうかという点ではなく、主観と客観や個人と構造という視点自体がどのようにして形成され、またどのように消費行為に影響を及ぼすことになるかを問うことになる。
  • ─台湾消費者の日本製品と中国製品に対する反応─
    李 炅泰
    2012 年 14 巻 1 号 p. 35-51
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    コンシューマー・エスノセントリズムとマテリアリズムが、先進国(日本)製品と新興国(中国)製品に対する消費者(台湾)の判断と購買意向に与える影響を調べた。台湾は日本と中国を2大輸入相手国としており、経済水準も両国の中間的位置にあるため、調査対象地として適正と判断された。台北と台中で343のサンプルを集めて構造方程式モデリングで分析した結果、コンシューマー・エスノセントリズム(CET)とマテリアリズム(MAT)の影響は、次のように複合的な様相を呈した。 CETは製品の出自国に関係なく購買意向を低下させたが、製品判断への影響は日本製品でのみみられた。一方、 MATは、日本製品の場合、製品判断に正の影響を与えたものの、購買意向に有意な影響を及ぼさなかった。それに対して中国製品の場合は、製品判断を向上させたものの、購買意向は低下させる働きをした。これらの分析結果をうけて論文の後半では研究の意義と成果をディスカッションする。
  • ─上海における経営の実態分析─
    陳 傑
    2012 年 14 巻 1 号 p. 53-72
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    本稿では上海自動車補修部品市場の流通経路に存立する部品流通商の経営実態について分析を行った。その結果、流通商が専門市場に集中することで競争が激化し、市場で生き残るため、単なる価格競争ではなく、品揃え、品質、即納態勢の様々な面において、差別化を図って競争していることが明らかになった。流通商間の競争を通し、市場では新たな流通主体間の協力関係が形成され、豊富な品揃えが絶えず変化する需要と供給がうまく接合され、これにより迅速、柔軟、そして安定的に、なお且つ良質な補修部品を流通させるシステムが構築されたことが明らかになった。
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