流通研究
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8 巻, 3 号
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  • 小本 恵照
    2006 年 8 巻 3 号 p. 1-15
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本稿は、開示データが入手できる109のフランチャイズ・チェーンを対象に、フランチャイズ加盟店の廃業率を算出し、併せてフランチャイズ契約が加盟店の廃業率に与える影響を分析したものである。廃業率については、フランチャイズ加盟店の廃業率が非加盟店の廃業率に比べ高いことが判明した。加盟店の廃業に与えるフランチャイズ契約の影響については、テリトリー制が採用されている場合と加盟金が多額な場合に廃業率が低いことが明らかとなった。前者については、テリトリー権を付与しても依然として競合チェーンの参入は可能であることを踏まえると、市場が必ずしも競争的ではないか、ブランド内競争がブランド間競争より厳しいという、いずれかの結果を反映したものと考えられる。後者については、加盟金の金額が、開業支援の充実度やフランチャイズ加盟によって獲得できる将来利潤の大きさを示す結果とみられる。
  • 我が国における百貨店業態成立の史的背景
    武居 奈緒子
    2006 年 8 巻 3 号 p. 17-35
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、新興呉服商が、卸売商支配の流通で、どのように成長し最終的に百貨店業態へと業態革新を遂げたのかについて、一次資料に基づいて論証することである。新興呉服商の仕入革新の特徴は、流通チャネルの短縮化、安定的仕入れルートの確保、仕入商品の拡大からなる。新興呉服商と産地の仲買との共存と離脱という呉服商の革新的行動は、大規模小売商としての道を切り開き、大量販売・高品質による信用・多品目取扱いの基盤となり、日本における百貨店の原型が形成されることが明らかとなる。
  • 小川 進, 西川 英彦
    2006 年 8 巻 3 号 p. 49-64
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、近年台頭してきているユーザー起動法が持つ潜在力について体系的に収集したデータを使用して考察することである。本稿では、良品計画を通じて収集したデータを使用して、伝統的手法によって開発された製品とユーザー起動法によって開発された製品の販売成果を比較した。分析の結果は、ユーザー起動法による開発が高い潜在力を持つことを示唆した。第一に、ユーザー起動法が新規性や独自性の高い製品を生み出していただけでなく、売上の点でも伝統的手法の少なくとも約3倍の売上額をあげていた。第二に、製品寿命についてもユーザー起動法によって開発された商品の寿命は伝統的手法によって開発された商品のそれよりも長い傾向を示した。最後に本稿はユーザー起動法研究に関する将来の課題について議論した。
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