流通研究
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4 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • フィールドワークに基づく検討
    坂田 博美
    2001 年 4 巻 2 号 p. 1-12
    発行日: 2001年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    小売商業研究において、小売商業における家族従業の重要性が指摘されながら、家族従業者としての女性労働が取り上げられることはなかった。そこで、ジェンダーの視点を用いた女性労働論の議論とフィールドワークに基づいて、家族従業問題の再検討を行った。とくに、これまで問題とされていなかった家族従業におけるジェンダー関係を検討した。本研究の成果として、家族従業は夫婦協働型で、子供たちや家族以外の人たちが商店に関わっていることを指摘する。
  • 日米独の比較研究
    本田 一成
    2001 年 4 巻 2 号 p. 13-27
    発行日: 2001年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本稿はマーケティング・マネジャーの人材開発について、キャリア形成に注目しながら検討する。日米独の比較から導かれる日本の人材方式の主要な特質は次のようになる。すなわち、日本では、米独の早期選抜と対照的に、企業内の長期的な競争が維持され、長期評価に基づく遅い選抜が認められる。また、日本のマーケティング・マネジャーは販売領域も経験する統合キャリアであり、マーケティング領域内の仕事経験の幅もそれほど狭くない。以上を総合すると、幅広い専門性を形成する現状においても、将来の営業方式の変化における潜在的な適応力においても、日本の人材開発の優位性は高いと推測される。
  • 坂田 隆文
    2001 年 4 巻 2 号 p. 49-60
    発行日: 2001年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    消費行動と購買行動は明確に異なっているにもかかわらず、マーケティングの領域において、消費者行動論は主にブランド選択に焦点を当てるミクロな観点から研究されてきた。その結果、消費者行動論では個々人の短期的な購買行動に議論が集中してきたといえる。このことに関する批判はこれまでにもなされているが、具体的な代替案を、特に消費者行動論独自の問題設定という観点から論じることが本稿の目的である。
    この代替案としては、集団としての消費者の消費行動そのものを歴史的視点から眺めるという作業が考えられるが、このような視座が経済学や社会学といった関連学問と異なった独自の問題を取り扱うために、マーケティングにおける市場問題の重要性を論じている。
  • 坂下 玄哲
    2001 年 4 巻 2 号 p. 61-72
    発行日: 2001年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本稿は、ブランドが消費者の購買意思決定に及ぼす影響を、学生による便宜サンプルを用いた被験者間実験によって検証したものである。消費者の購買意思決定が状況に依存的であるという先行研究の枠組みの下、彼らが行う課題の複雑性が変化するという局面においても、ブランドが消費者の購買意思決定に影響を与えることが検証される。購買意思決定におけるブランドの役割について検討することで、既存研究、とりわけ定量的な実証研究における、ブランドをとり入れた研究枠組みの拡張可能性が提示される。
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