営業活動の管理様式にはアウトプット管理とプロセス管理があり, その選択問題については, これまで理論的・実証的研究がなされてきた。さらに近年の企業における営業改革においても, プロセス管理への移行が一つの関心事となっている。そこで本研究では, 営業管理様式の選択についての議論を整理し, 営業管理様式の選択における基準, および最近の営業改革との関連性について考察する。
ここではプロセス管理のメリットとして二つを想定する。一つはプロセス管理によって営業担当者の短期的な志向を制御することであり, もう一つはプロセス管理によって営業活動の曖昧さを減らして, 部門間での情報共有をしやすくすることである。そして今回の分析結果から, この二つのメリットへの期待が確認され, とくに後者のメリットが, 近年の営業改革において期待されている要因であると推論する。
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